映画熱 -4ページ目

U-NOTE Ⅲ 「しばらく、お待ち下さい」

被災した方々に、お見舞い申し上げます。

 

現場で闘っている皆様に、感謝申し上げます。

 

それから、成人された若者諸君、おめでとうございます。

 

 

 

こんばんは。桑畑です、ちゃんと生きております。

 

地震、ものすごい揺れ方でした。

 

中越地震の時よりも、揺れが凄まじかったように感じます。

 

新潟でもこんなんだから、震源地は、想像を絶する状況だったに違いない…

 

 

ちょうど、ランキング記事を書いている途中でした。

 

アニメ・特撮編が、もうすぐアップできるかというところで、地震が発生。

 

 

何とか、その記事までは更新できたんですが、

 

次の記事が、ワースト部門だったもんで…

 

途中まで書きかけて、中断しました。

 

不謹慎な文章だから、進まないんですよね…

 

 

 

毎年恒例なので、その5までは書くつもりなんですが、

 

今は、失速しちゃって、書けない状態が続いております。

 

(作家でもないくせに、ってまた言われそうですね)

 

 

でも、この記事を完成させないうちは、俺の2024年が、スタートできないんですわ。

 

たぶん、今週中には、ランキング記事を終わらせて、新しい映画を見て、再スタートできるかと。

 

 

くれぐれも、期待しないで、お待ち下さい。

 

 

 

 

今日は、除雪と仕事で、くたくたです~

 

無事に、一日を終えたことに感謝。

 

 

皆様が、平穏なお正月を過ごせますように。

2023年映画熱ランキング その3 アニメ・特撮編

【アニメ・特撮編】

 

 

 

1.ゴジラー1.0

 

 

特撮映画では、これがダントツでしょう。

 

期待以上の、いい出来でした。世界中のゴジラファンにオススメしたい1本。

 

俺はあまりにも気に入ってしまって、劇場に2回行きました。

 

「シン・ゴジラ」は、現代にゴジラが現れたらどう戦うか、でしたが、

 

本作は、当時の戦力で、どうやって戦うか、を問う作品。

 

アメリカにボロ負けして、武装解除させられた日本に、戦う力はあるのか?

 

そこは、人間の知恵と勇気が、ものを言う。

 

みんなで力を合わせ、やれることは全部やる。

 

その結果、大いなる奇跡がもたらされるのだ。

 

俺が注目したのは、特攻という重いテーマが組み込まれたこと。

 

山崎監督の「永遠の0」で、今は亡き三浦春馬が、ムキになるシーンを思い出す。

 

…特攻は、テロとは全然違うんだよ!

 

まさに、その通り。

 

映画の終盤で、そこを思いっきりぶちかましてくれます。あっぱれ!

 

日本の最終兵器、ゴジラ。

 

ゴジラ、ゴルゴ13、ガンダム。この“3G”が存在する限り、日本は戦えるのだ。

 

 

 

2.ガールズ&パンツァー 最終章 第4話

 

 

今までの中でも、群を抜いて、ド迫力でした。

 

戦車アクションの、最高峰と言ってもいいくらい、素晴らしい出来栄えでした。

 

キャタピラの音も、砲撃の音も、これはぜひ、映画館で体感してもらいたい。

 

準決勝ともなると、すごいバトルですなあ。

 

主役チームが沈黙する中、残った戦力で、強敵に立ち向かう姿が、痛々しくも、美しい。

 

まさに、戦車道。正々堂々と、戦略を駆使して、ギリギリの攻防が続く。

 

さあ、大洗女子学園チームの運命は?

 

 

 

3.君たちはどう生きるか

 

 

宮さんが、久々に放った、問題作の登場。

 

戦争当時、敵襲によって、母親を亡くしてしまった少年が、主人公。

 

工場を経営する父親のおかげで、生活には困らないものの、

 

彼の心は、ゆれまくっていた。

 

田舎に疎開して来た彼は、同級生にからかわれて、怒りが爆発。

 

しかし、ケンカが弱くて負けてしまい、落ちていた石ころで、自分の頭を傷つける。

 

それが、父親の知る所となり、大騒ぎに。

 

傷がもとで高熱にうなされ、ようかく回復したものの、

 

彼は、不思議な人面鳥に誘われ、不思議な世界に入っていく…

 

こう書くと、巻き込まれサスペンスみたいに聞こえるかもしれませんが、

 

大事なのは、彼自身が、自ら選択して、行動している点に、ご注目していただきたい。

 

彼は、自分の意志で、自分の問題を解決しようとするんですね。

 

だからこそ、つかつかと能動的に歩く姿が、精悍でカッコいいのです。

 

そこで知り合う、年上のお姉様方が、世話を焼いてくれますが、

 

決して、彼を甘やかさないところが、いい。

 

俺的には、扉を開けた時に、フラミンゴだかペリカンだかの鳥が殺到して、

 

口をパクパク開けながら、ジタバタする場面が、爆笑でした。

 

ああ、生き物って、こうやって貪欲に行動するから、生き残れるんだよなあ、って。

 

俺が養豚で経験したこと、度重なるパワハラに苦しめられたこと、

 

大怪我をして、長い期間、歩けなくなったことが、フラッシュバックで襲い掛かる。

 

しかし俺は、ここぞというところで、彼のように、自ら行動して、

 

次の未来を生きるための道を、切り開いてきた。だから、今の俺が存在する。

 

物語の結末は、途中からどうでもよくなった。

 

俺がむしろ、その途中での、彼の行動しまくりの姿勢に、喝采を送ったのです。

 

「ほかげ」の少年と、本作の少年は、どこかでつながっている。

 

そして、両作を見た、俺の心に棲む少年の心もまた、つながっているのです。たぶん。

 

 

 

 

4.駒田蒸留所へようこそ

 

 

これは、もの作りに携わる全ての人と、ウイスキーを愛する人たちに捧げたい1本。

 

長野県に実在する、駒田蒸留所が、物語の舞台。

 

自社ブランドの焼酎、ウイスキーを開発した、老舗の蒸留所であったが、

 

東日本ダ大震災により、大きな打撃を受けてしまい、

 

ウイスキー作りをあきらめなければいけない状況に追い込まれていた。

 

主人公は、娘の駒田琉生(るい)。蒸留所の再建のために、奔走します。

 

そこへ、取材に訪れた青年。彼は、全くやる気がねえ~

 

最初は、大丈夫かなあって心配でしたが、個性的な彼らがぶつかり合って、

 

お互いの事情を理解し、だんだんと、いいものができていく。

 

当然ながら、そう簡単にうまくいくものではなく、何度も何度も、ピンチに出会う。

 

もう、あきらめた方がいい、誰もが思った時でも、

 

どうしても、あきらめきれない思いがあった…

 

俺は、この映画を見た後、どうしてもウイスキーが飲みたくなって、

 

帰りに酒屋に寄って、ジョニーウォーカーの黒を買いました。←ジャパニーズウイスキー買えよ

 

 

 

 

5.シン・仮面ライダー

 

 

世の中においては、出来が悪いと袋叩きになっているみたいですが、

 

俺には、そんなの、関係ねえ。

 

完成度は高いとは言えないけど、ライダーマインドは、ひしひし伝わってきました。

 

本郷が、脚に大怪我をしてしまうところは、実際の藤岡弘の事故に加え、

 

俺自身の大怪我の体験とも重なって、感慨深いものがありました。

 

池松壮亮を起用した庵野監督の意図は、苦悩する本郷を描きたかったからかも。

 

「斬」で、センズリ侍を演じた彼だからこそ、湿気の多いキャラとして成立したのかも。

 

一文字を、柄本佑が演じたのも、面白い。

 

緑川ルリ子は、ゴジラのヒロインでもある浜辺美波。

 

彼女は、父の仇として本郷を恨む役柄ですが、本作では、クールな思考を持つ才女。

 

まるで、綾波レイのように、静かに、主人公のありようを示していく。

 

シンジ君は中学生だったけど、本郷は青年。

 

いつまでも、ウジウジしていられんのだ。

 

うまくいくかどうかわからんけど、やるしかないのだ。

 

圧倒的なパワーを見せつける、冒頭のアクション。

 

血しぶきの中に、監督の覚悟を見た思いです。

 

(一番暴走していたのは、監督かもしれないけど)

 

ライダー2号が、どうしてこうなったのかが、興味深い。

 

男の熱い余韻がいつまでも残る、血の通った映画でした。

 

 

 

 

6.鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

 

 

これは、勧められて見に行ったんですが、すっげえ面白かったです。

 

鬼太郎の親父が若かりし頃の、戦いの物語。

 

鬼太郎なのに、PG12ときたもんだ。

 

別に問題ないでしょ。子供たちにも見せてあげて下さいな。

 

何故、鬼太郎は、人間のために戦うようになったのか。

 

この映画を見れば、よくわかります。

 

見どころは、親父の入浴シーンです。お見逃しなく。

 

 

 

7.マイ・エレメント

 

 

元素レベルでの恋愛とは、すごいスケールがあったもんです。

 

火の女と、水の男が、どうやって結ばれるんだろう?

 

興味津々で映画館に行きました。

 

なるほど、そういう手があったか~

 

これは、はっきり言って面白いです。

 

ビジュアルも斬新だし、アイディアが秀逸。

 

ボーダーレスの時代にふさわしい、心あたたまる映画と言えるでしょう。

 

火と水がほどよく愛し合えば、ちょうどいいお湯になる。

 

そのぬくもりが循環して、いい感じの関係が成立する。

 

好きになっちゃいけない人だと思えば思うほど、恋の炎は燃え上がるのだ。

 

愛し合う方法は、いくらでもありそうで、何だか、ほっこりしますね。

 

 

 

8.アリスとテレスのまぼろし工場

 

 

これはよくわからんけど気になったので、見に行きました。

 

ほうほう、10代の、恋の物語ですね。

 

初々しいキスのシーンが、微笑ましい。

 

唇が合わさった時の、何ともいえない音が、うひょうってなります。

 

何と言うか、むちゅ、って感じ。

 

いいなあ、お前ら。がんばって、恋を続けろよ。

 

 

 

9.沈黙の艦隊

 

 

これもまた、賛否両論みたいですが、俺的には、面白かった。

 

大沢たかおの堂々とした指揮っぷりが、迫力あるバトルシーンとうまく重なる。

 

日本人にも、こういう血の気の多い指揮官がいるんだぜ。

 

日本をナメてかかる奴らには、どこまでも戦う意志を見せることが大事。

 

後ろを見せて逃げるから、相手が調子にのって、追いかけてくる。

 

ここは、一歩も引かない。これ以上は、許さない。

 

そういう一線を引いた覚悟が、人の心を動かすのだ。

 

大切なものを守るためにこそ、男たちは戦う!

 

 

 

10.BLUE GIANT

 

 

やっぱり、ダイの音は、出せないよなあ。あれは、マンガだからこそ、いい。

 

一体どんな音を聴かせてくれるのかと思ったんですが、普通にテナーサックスでした。

 

(そりゃ、当たり前だって)

 

でも、あの画力から想像する音って、尋常じゃない気がするんですね。

 

ただ、ユキノリのピアノがよかったので、一応、10位でランクイン。

 

ピアノを担当したのは、ジャズピアニストの、上原ひろみ。

 

彼女のアルバム「フェイス」に収録されている、

 

ベートーベンの悲愴第二楽章がカッコよくて好きです。

 

作画のクオリティは高く、大人のアニメーションとして、見る価値はあると思う。

 

でも、いつか聴いてみたいなあ。原作の絵柄にふさわしい、すげえ音を。

 

2023年映画熱ランキング その2 邦画編

【邦画編】

 

 

 

1.ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー

 

 

2023年においては、この映画に出会えたことが、すこぶる大きかった。

 

新潟の映画館では、4月に1作目を上映してから、すかさず2を公開してくれたので、

 

シリーズの存在を全く知らなかった俺にとって、ラッキーなプログラムでした。

 

この、高石あかりと伊澤沙織のコンビ、最強ですね!

 

映画「ある用務員」に登場する、女子高生殺し屋のスピンオフなんですが、

 

これが、けっこう面白い。

 

脱力系で、ふだんはダラダラしているんですが、殺しの才能とセンスは、抜群。

 

その、動と静が、見事なコントラストで、こっちも楽しくなっちゃう。

 

こんなに明るい殺し屋映画は、今まで見たことがなかったような気がします。

 

お互い、自分にないスキルを持っているので、いがみ合って協力し合って、

 

グダグダなのに、ダメダメなのに、カッコいいんですなあ。

 

主題歌「じゃないんだよ」が、これまたいい曲で、

 

これを歌っているのが、新しい学校のリーダーズ。

 

パンフにオマケとしてCDが封入されていたので、早い段階で聞きまくり。

 

今では、スナックでいい年したおっさんが、この歌を歌いまくっております。

 

1もいいんですが、個人的には2の方が好み。

 

将棋の場面は、爆笑でしたわ~

 

 

 

 

2.春に散る

 

 

今まで見たボクシング映画の中で、一番面白かったように思います。

 

横浜流星は、いい俳優ですね。

 

トレーナーが佐藤浩市で、仲間に片岡鶴太郎、哀川翔がいる。

 

橋本環奈の抑えた演技も、すごくよかった。

 

何よりも、ボクシングのシーンが、臨場感があって、メチャクチャ迫力があった。

 

まさに、殴り合う男の美学。

 

これを見た9月は、ジムに通うのも力が入ったものです。(もうやめたけど)

 

 

 

3.怪物

 

 

これは、ニクい映画でした。

 

少年がかわええ。 かわいすぎる。 ええい、ちくしょう。

 

思わず、見入ってしまいました。

 

誰にも理解されない二人が、仲良くなったことで、生きている世界が輝き出す。

 

瑞々しい、子供の感受性が、汚れた世界を浄化していくようだ。

 

彼らが、生き生きと遊ぶ姿は、はかなく、美しい。

 

今を生きる大人たちが、是枝監督のような優しい目線で、子供たちを見てあげて欲しい。

 

そこに、かつて存在した、自分たちの純粋な魂を見るであろうから。

 

 

 

4.仕掛人 藤枝梅安

 

 

シブい。

 

まさに、大人の時代劇でありました。

 

前後編二部作を合わせて、1本の映画と呼んでいいでしょう。

 

梅安を演じるのは、豊川悦司。おお、NIGHTHEADの兄ちゃんが、仕掛人になった。

 

いざとなったら、サイコキネシスで倒せそうですが、ここは、鍼をしっかり使います。

 

片岡愛之助とのコンビは、なかなかよいですね。

 

ふたりで酒を酌み交わすシーンが多いから、映画を見た後は、ぬる燗で一杯やりました。

 

そして、菅野美穂のかわいいこと!

 

こんないじらしい女に惚れられたら、男は絶対、守りたくなるってもんです。

 

天海祐希は、三味線屋勇次の映画にも出ていましたねえ。今回も、ワケありの女。

 

で、椎名桔平が、深みのある演技で、観客を振り回します。

 

ああ、俺も、あの鍼で、気持ちよくあの世に送ってもらいたい。

 

 

 

5.PERFECT DAYS

 

 

年末に見たばっかりなんですが、あまりにも面白かったので、ランクイン。

 

公衆トイレの清掃員をしている役所広司が、ライトバンで、現場に向かう。

 

その時に、カセットテープを車の中で流すんです。

 

アニマルズの「朝日のあたる家」で、俺は鳥肌が立っちゃって、

 

金延幸子の「青い魚」で、ほっこりしちゃって、

 

何だかこの映画、音楽のセンスが絶妙なんですわ。

 

アナログレコードではなく、ミュージックカセット。

 

つまり、セル用に最初から録音された商品なんです。これはなつかしい。

 

俺が10代の頃は、レコードが2500円だったら、カセットは2800円くらいでした。

 

カセットは、鍼を落とさなくていいから傷の心配はないけど、

 

巻き込んだり切れたりしたら、分解して直さないといけない緊張感もあったなあ。

 

カーステに入れる時に、若いおねーちゃんが向きを間違えたのを教えるところが可笑しかった。

 

セルのカセットは、俺の手元にも何本か残っているから、今度、おそるおそる聞いてみよう。

 

ヴィム・ヴェンダース監督の繊細な演出は、今も健在ですね。

 

 

 

6.アンダーカレント

 

 

恋愛映画の魔術師、今泉力哉監督の最新作。

 

映画館で見つけたチラシが、一目でビル・エヴァンスのジャケットだとわかり、

 

もうこれは行くしかない、と心に決めました。

 

銭湯を営む女を、真木よう子がみずみずしく演じております。

 

そこへ現れる謎の青年を、永山瑛太が演じる。

 

二人とも、独特の雰囲気を持った役者なので、駆け引きがスリリングで面白い。

 

まさに、アンダーカレントのように、心の深い闇の世界へ、観客は誘われていく。

 

果たして、お互いがたどり着いたのは、どんな精神世界なんでしょう。

 

人間って、めんどうくさいけど、そこが、味わい深いというものかと。

 

 

 

 

7.658km 陽子の旅

 

 

またしても、菊地凛子がヒドい目に遭います。

 

本作では、外出できなくなった女、陽子を演じています。

 

故郷にいる父親(オダギリジョー)が、突然亡くなったという知らせを受けて、

 

叔父さん(竹原ピストル)が、車で一緒に行こう、と。

 

しかし、サービスエリアでトラブルが起きて、陽子は置き去りにされてしまう!

 

えらいこっちゃ~ 荷物も携帯も車の中。所持金は、ほんのわずか。

 

仕方なく彼女は、ヒッチハイクをしようと、知らない人に声をかける…

 

うひゃあ、その精神状態で、彼女は生き残ることができるのか?

 

ヒヤヒヤしながら、時には、ああ、危ない!と手に汗を握りながら、応援しまくりました。

 

相手に悪気がなくても、被害に遭う時がある。

 

人を見たら、泥棒と思え。うっかり気を許したら、何もかも奪われてしまうぞ。

 

生きる厳しさを学びながら、陽子は、少しずつ、前に進んでいくのです。

 

 

 

8.ケイコ 目を澄ませて

 

 

耳が聞こえない実在のボクサー、ケイコを演じるのは、岸井ゆきの。

 

彼女、相当本格的なトレーニングをしたのか、なかなかいい動きをしています。

 

彼女が生きる世界において、ボクシングは、自分を表現する大切な武器。

 

ジムのトレーナーは、三浦友和。くたびれた初老の男を、しみじみと演じています。

 

彼は、「PARFECTDAYS」でも、失意の男を演じていました。

 

「春に散る」とは、全く違うアプローチが、この映画にはある。

 

ケイコは、人との慣れ合いを好みません。

 

嫌なことは嫌だとはっきり言い、それで相手が不機嫌になっても、構わない。

 

彼女の行動を見ていると、どうしてそうなったかが、時々、垣間見える。

 

この娘は、一筋縄ではいかないぞ。だからこそ、ストイックに生きられるのかも。

 

試合で、卑怯なことをされる場面がある。

 

その時の、彼女の怒りは、ハンパない。

 

しかし、その後の、対戦相手の意外な態度を目にした彼女は、

 

何ともいえない、複雑な表情をする…

 

ここ、すごく重要なので、よく見てあげて下さい。目を澄ませて。

 

 

 

9.ほかげ

 

 

火影、と書きます。火が作り出す影、という意味。

 

塚本晋也監督が放つ、戦場三部作の最終章、だそうで。

 

戦後まもない頃、家族を失った女性がひとりで、居酒屋の跡地で、体を売って生きていた。

 

生活する、というより、何とか食いつないでいる、とりあえず生き延びている、という状況。

 

そこに、客として現れた青年、盗んだ食物を持って来る少年が出入りして、

 

色んなことが、静かに展開していく。

 

むせかえるような、暑い空気と、生き物の体臭が漂ってくるような、生々しさ。

 

息づかい、ため息、衣擦れ、暗がりを這い回るような、何ともいえない雰囲気。

 

男は、男であろうとし、女は、女であろうとする。

 

少年は、大人たちの姿を目の当たりにして、何かを学んでいく。

 

雑踏の中に消えていく彼の背中を、観客は、固唾を飲んで見送ることしかできない。

 

人間が、人間であろうとして、もがき続ける生き様を描いた、珠玉の1本。

 

 

 

10.リバー、流れないでよ

 

 

最後に紹介するのは、ヨーロッパ企画の、能天気なSF映画。

 

ある老舗旅館で中居として働く、年頃の女の子が主人公。

 

彼女はある日、時間が戻っていることに気づく。

 

あれっ、3分前に逆戻りしてる…?

 

おかしいなあ、と思いながら、しばらくすると、また、3分前に。

 

見覚えのある景色が、延々と繰り返される、異常な状況において、

 

彼女は、旅館の従業員や宿泊客と一緒に、謎を解き明かそうとする…

 

しかし、3分なんて、あっという間だから、何もできないままに、次のターンが。

 

ドタバタしながら、一歩ずつ、少しずつ、真相を解き明かしていく物語。

 

バカバカしいけど、面白い。

 

これもまた、イヤな現実を一時忘れることができる、トリップ映画と言えるでしょう。

 

だまされたと思って、このチープで不思議な世界を、覗いてみて下さい。

 

時間が、当たり前に流れるって、ありがたいことなんですね、うんうん。

 

 

2023年映画熱ランキング その1 洋画編

あけましておめでとうございます。

 

 

昨年、映画館で見た本数は、52本でした。

 

ほぼ、1週間に1本の計算になります。

 

その中で、俺の独断と偏見により、毎年恒例のランキングの発表です。

 

 

 

【洋画編】

 

 

1.ヴァチカンのエクソシスト

 

 

実在した伝説のエクソシスト(悪魔払い師)の、真実の物語。

 

主演は、存在感抜群の、ラッセル・クロウ。

 

彼の魅力を、最大限に生かした力作でした。

 

やはり、除霊というのは、体力と気力に長けた者でないとアカン。

 

このおっさん、原付バイクで駆け付け、スキットルのウイスキーを飲んで、

 

チャチャッと解決してしまう。 あら素敵。

 

睨みが、いい。あの鋭い眼光で圧倒し、チンピラ悪魔をぶちのめす姿は、痛快。

 

上司がガタガタ言おうが、うるせえ!現場で体張ってんのは、このオレだ!

 

彼の自伝が原作らしいので、どこまでも、オレサマ視点。

 

いいじゃねえか、文句あるバカ悪魔どもは、どっからでもかかってこい!

 

 

 

 

2.ミーガン

 

 

これは、楽しい。ずっと、笑いっぱなしでした。

 

ちょうどこの頃、つらい出来事があって、かなり意気消沈していた時に見たんです。

 

だから余計に、この映画のはっちゃけぶりが心地よくて、嫌な現実を一時、忘れました。

 

ミーガンは、AI搭載の、お世話ロボット。アンドロイドと言うべきか。

 

不慮の事故で両親を失った少女のもとに、彼女はやって来る。

 

最初は、友達ができて喜んでいたけど、時間が経つにつれて、様々な問題が…

 

しかしながら、登場人物が全員憎たらしいので、俺は、ミーガンを応援したくなっちゃう。

 

いいぞミーガン、ウスラバカヤロウどもを、ぶっ殺せ!

 

PG12だけど、子供にこそ見て欲しい1本です。

 

 

 

3.エスター ファースト・キル

 

 

こちらも、負けていません。

 

あのエスターがどうやって生まれたのかがわかる、エピソード0的なお話。

 

しかも、前作から14年も経ってるのに、同じ女優、イザベル・ファーマンが再登場。

 

しかもしかも、あの時は12歳の役で、本作は、何と10歳!若返っとるやん!

 

すげえ、大した役者根性ですなあ。見上げた度胸です。

 

エスターは、頭が切れますが、結構、おっちょこちょいです。

 

そこが、何ともかわいくて、度々、ピンチが訪れます。

 

観客の皆様は、彼女が立派な殺人鬼になれるように、応援してあげましょう。

 

 

 

 

4.インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

 

 

ジイさん俳優になっても、特殊効果でツルツルのお肌になって、インディが若返る。

 

リヴァー・フェニックスが演じた場面を思い出して、感慨深いですなあ。

 

今回も、SF的な要素が絡んで、爆発的に面白いです。

 

そうか、知的好奇心こそは、人間の最大のエネルギー源なのだ。

 

たしか、以前に、UFOが出た話があったっけ。

 

今回は、何と、タイムマシンが登場。彼は、ある人に会いに行きます。

 

こんなこといいな、できたらいいな。

 

夢がますます膨らむ、80歳のジイさんに、立ち塞がるものなし!最強!

 

好きなことを好きなだけやれる老後を、インディが駆け抜ける!

 

 

 

 

5.ミッション・インポッシブル デッド・レコニング PART ONE

 

 

トム・クルーズも、負けておりません。

 

トップガムじゃなくて、トップガンの舌の根も乾かないうちに、スパイミッションに突入。

 

ジャッキー・チェンが高齢になってしまったので、トムがやりたい放題のアクションを展開。

 

手錠でつながれたままのカーアクションは、何だか楽しかった。

 

列車の上での格闘も、いつのまにそうなったのかわからん窓ぶち破りも、

 

何だか、トムだと、許せてしまう。ツッコむ間もなく、次々とアクションが連続します。

 

尺が長い上に、さらに続編があるみたい。ああ、次まで覚えていられるだろうか。

 

観客にとっても、映画館で見るのは、なかなか困難なミッション。

 

それでも、次々と映画を撮り続けるトム。まさに、ミッション・一方的過ぎるぜ!

 

 

 

 

6.スキンフォード 処刑宣告

 

 

 

トラックの積み荷を確認しようと、扉を開けたら、

 

下着姿のおねーちゃんたちが、大量に閉じ込められていた。

 

逃げ出す彼女らが、次々と爆死。

 

どうやら、お腹に時限爆弾を埋め込まれているらしい。

 

走る女たち。容赦なく押される爆破ボタン。 …なんじゃこりゃ~?

 

主人公は、怪我の治りが早い女(爆笑)。

 

行きずりのバカ男と一緒に、謎の組織に立ち向かう!

 

途中から、緊張感が解けて、だんだん、どうでもよくなりますが、

 

上映時間が短いので、時間つぶしにちょうどいいでしょう。

 

お腹をこわした時に見ると、臨場感が味わえていいかも。

 

 

 

7.カンフースタントマン 龍虎武師

 

 

最後は、ジャッキー・チェンがあのシーンを怖がった、という暴露がある映画。

 

これは、カンフー映画で数多くのスタントをこなした、プロ集団のドキュメンタリー。

 

「プロジェクトA」での、時計台から落下する有名なシーンには、

 

こんな裏話があったんですねえ。まあ、そりゃそうだろ。

 

怖いからイヤだ、と尻込みするジャッキーを、監督はどうやって説得したのか。

 

そこは、本編をご覧になって、確認して下さい。

 

まあ、そう言われれば…なあ。

 

さすが中国。使い捨ての人材は豊富なんでしょう。

 

人でなしのスタッフにけしかけられて、偉大なスタントマンたちは、今日も空を飛ぶ!

 

 

 

U-NOTE Ⅲ 「助っ人、猛々しく」

こんばんは。 桑畑です。 まだ、生きております。

 

 

今年最後の休日は、24日の日曜日でした。

 

25日から31日まで、製麺所は、7日連続勤務の真っ最中。

 

何しろ、この時期が、一年で一番の稼ぎ時なもんで。

 

 

繁忙期になると、助っ人が登場します。

 

まずは、シルバー人材センターの、熟女お2人。

 

ウチの仕事を熟知しているようで、手際がいい。

 

やり手で、声もデカく、よく通る。

 

社長の奥さんの、妹のお孫さんも、登場。小学生の低学年女子。

 

おばあちゃんのお手伝いですか、えらいねえ~

 

いっちょまえに、白衣と帽子を被って、テキパキと袋詰めをしております。

 

 

すげえなあ、紅の豚に出て来る工場みたい。

 

バアちゃんと、やり手のフィオ、ってところでしょうか。

 

助っ人、猛々しく、明るく笑いころげる、黄色い声…

 

まさに、アットホームな雰囲気で、年末のヤマ場を駆け抜けております。

 

 

 

 

老若男女がひしめき合う、にぎやかな職場で、年末を迎えようと…

 

 

 

 

俺の正月休みは、1月1日と2日の、2連休。

 

7日勤務して、2日休んで、4日勤務して、1日休み。

 

…あれっ、

 

これって、養豚の時のシフトじゃん!

 

 

懐かしいなあ。

 

 

あの時は、苦しくて、たまらなかった。

 

ずっとパワハラに苛まれ、夜も休日も、心が休まる時がなかった。

 

24時間ずっと、豚の心配しないといけなかったし、

 

いつも、怒られて一日が始まって、怒られて一日が終わっていた。

 

最長は、2時間半以上、怒られ続けたっけ。昼休みなしで…

 

よくもあんな職場、7年もがんばれたもんですわ。

 

娘の高校受験と、短大進学があって、家族を養わないといけなかったからなあ。

 

娘の進路が決まった途端、プチンと糸が切れたみたいに、バッタリ倒れちゃいました。

 

 

あれからまた療養して、回復して再就職したら、また大怪我して、病気も再発して…

 

我ながら、よくここまで、生き残ってこられたもんだと感心しております。

 

俺を応援してくれた人たちの方が先に逝ってしまって…

 

何だか、自分が生きていることに罪悪感を感じてしまいます。

 

 

 

 

でも、時の流れは、あらゆる傷を、癒すようで。

 

 

 

今は、不思議なくらい、のびのびと、楽しく仕事をさせてもらっています。

 

生まれて初めて、人間らしく扱ってくれる職場に出会った気分。

 

会社も人間も機械も、ポンコツだけど、

 

ここは、何だか、居心地がいい。

 

 

去年は、ベテランの先輩が辞めて、ひとりで必死にがんばっていました。

 

でも、周りの人たちに支えられて、今では、堂々と仕事をこなしております。

 

後輩もできて、責任も重くなりましたが、

 

俺、この仕事、やれるような気がするんですね。

 

 

 

猛暑でも、人は、ラーメンを食べるみたい。

 

涼しくなったら、人は、ラーメンを食べるみたい。

 

寒くなったら、人は、ぬくもりを求めて、ラーメンを食べるみたい。

 

そして、春になると、また人は、ラーメンを食べるのでしょう。

 

 

ラーメンこそは、一年中楽しめる、極上のメニューなのかもしれない。

 

 

そばも、うどんも、各種、特殊な面も製造するけど

 

やっぱり、ラーメンこそは、現代を生きる日本人のマインドなんでしょうね。

 

 

世の中の皆様が、ラーメンを愛して下さるからこそ、俺は、生きていけるのです。

 

 

 

今日で、6日連続勤務。 足腰、バッキバキですが、まだ、動きます。

 

明日で、7日連続勤務を達成して、ようやく、年が越せます。

 

 

あと一日、がんばります。

 

もうまもなく、眠ります。 (→BGMは、キョンキョンの、うちに帰ろう、で)

 

 

 

おやすみなさい。

 

皆様、よいお年を。

映画 「PERFECT DAYS」

静かに、しなやかに、力強く。 …この世は、生きるに値するのか。

 

 

今年最後の休日を利用して、今年最後の映画に行って参りました。

 

ドイツの巨匠、ヴィム・ヴェンダース監督最新作。

 

主演は、役所広司。

 

 

最後にふさわしい、いい映画でした。 感無量であります。

 

この一年、俺にとっても激動の瞬間の連続だったので、

 

本作を見ることで、心の中が、少しずつ整理されていく思いでした。

 

 

さすが、話題作だけあって、日曜の映画館はほぼ満員。

 

年齢の高い人が多いけど、女性客もたくさんいて、ファンの層が厚いなあ、と。

 

最初は死私語もチラホラだったけど、始まったら、水を打ったようにしずかになり、

 

ほのかなユーモアでクスクス笑が起き、一体感のある、いい状態で見ることができました。

 

たぶん、同じ空間にいたみなさんにも、色んな人生があるんですね。

 

 

 

舞台は、東京。

 

主人公は、ひとり暮らしをしているおっさん。

 

彼は毎朝、早い時間に起き、公衆トイレの清掃を生業としている。

 

規則正しく、丁寧に仕事をする男の周囲には、色んな人が現れる…

 

 

寡黙な男の物語ですが、決して、心をを閉ざしているわけじゃない。

 

必要最小限の言葉を発して、人との距離を保っているかのよう。

 

きっと、これが、ちょうどいいスタイルなんだと思います。

 

 

積極的に人と交わらないぶんだけ、彼には、内面の世界が深い。

 

見ていると、結構多趣味なんですね。

 

色んなことがあって、この生活を選んだのか、

 

色々もがいて、ここにたどり着いたのか。

 

 

俺は、俄然、彼の人生と生き方に、興味を持ちました。

 

聞いたところで、簡単には語ってくれないでしょう。

 

彼が、自分の話をするに値する男だと認めてくれたら、

 

多少は話してくれるかもしれないけど、

 

たぶん、聞けたとしても、ほんの一部でしょう。

 

 

誰に話してもわかってもらえるほど、人生は単純じゃありませんから。

 

 

この映画は、彼と出会う人たちが、それぞれに感じたところを、

 

観客も共有し、あ、この人、こんな部分があるんだ、と気づかせてくれます。

 

一方向からでは決して見えない、人の不思議な魅力を、教えてくれるんですね。

 

 

彼が時折、ポツリポツリと語る言葉に、耳を傾けてみましょう。

 

 

 

タイトルからして、日々をくり返す構成になっています。

 

彼は毎日、職場に向かう車の中で、カセットテープの音楽を聴くんですね。

 

その楽曲が、なかなかシブくて、カッコええのです。

 

(映画のタイトルは、その中からつけたのかも)

 

 

1曲だけ、お教えしましょう。

 

 

冒頭から、アニマルズの「朝日のあたる家」が流れます。

 

この歌、色んな人がカバーしていていて、俺は、ちあきなおみで初めて聞きました。

 

言葉で語らない彼は、音楽を通して、背中で語るんだなあ、と感じました。

 

後半、小料理屋が出てくるんですが、そこのママさんが、なんと石川さゆり!

 

常連客、あがた森魚がギターを弾いて、ママさんが、この名曲を… おお!

 

 

他にも、色んな大物アクターたちが、チラチラ登場しますので、お楽しみに。

 

(俺的には、安藤玉恵が、説得力のある登場で、すげえと思いました)

 

 

 

 

 

当たり前だけど、生きていると、色んなことがある。

 

長く生きれば生きるほど、たくさんの出来事が起きる。

 

苦悩、葛藤、失敗、事故、怪我、病気、大失態、暴力、虐待…

 

その、膨大な量を、全て記憶することはできないから、

 

自分なりに整理して、心の奥底にしまっておくことになる。

 

すぐに取り出せるものもあれば、封印して開かずの扉になることも。

 

それは、理由があってそうなったのだから、

 

他者が勝手に、無理矢理開けるもんじゃない。

 

 

それを、相手を傷つけないように、不快な思いをさせないように、

 

やんわりと、諭す。

 

それが、彼というキャラクターなんですね。

 

 

彼の名は、平山。

 

ヴェンダース監督が敬愛する、小津安二郎監督へのリスペクトが感じられる名前ですね。

 

エンドロールには、「HIRAYAMA」とあったので、ヒラヤマと表記すべきか。

 

(ちなみに石川さゆりは、「MAMA」と表記されていました)

 

 

エンドロールの最後に、監督のメッセージが流れますので、

 

お急ぎでなければ、最後までご覧下さい。

 

日本語の素晴らしさを愛してくれた監督に感謝。

 

 

 

俺は絶対に、平山みたいには生きられない。

 

だって俺、おしゃべりなんだもん。

 

彼のように、寡黙で、にじみ出る魅力を、持っていないしなあ。

 

 

彼は、余計なことを言わないから、自然と、周囲に好かれていくんだろうなあ。

 

彼に話しかける人は、彼がどういう男なのかを、熟知している。

 

職場の仲間、居酒屋、写真屋、古本屋… たまたま、よく会う人。

 

その、さり気ない、最小限のあいさつが、実に心地いいんですね。

 

 

 

俺の好きな場面は、姪のニコが訪ねてくるところ。

 

一緒にいる二人の仕草が、いちいちシンクロしているの微笑ましい。

 

ジム・ジャームッシュ監督の「コーヒー&シガレッツ」を思い出します。

 

本人たちは無自覚でも、周りから見たら、面白い。

 

 

人って、自分でも気がつかないうちに、誰かを楽しませているのかもしれませんね。

 

 

 

 

俺は、静かな生活に憧れています。

 

まだ、多くのトラウマや葛藤を抱えて、時折、フラッシュバックに襲われ、

 

悪夢にうなされ、夜中に汗をいっぱいかいて、過去の亡霊に苦しんでいるので。

 

 

苦しさから逃れるように、一時でも忘れるために、夜の街に出かけて行くのかも、な。

 

かといって、誰かに迷惑をかけるような飲み方は、していないつもり。

 

 

しかしまあ、よくここまで、どうにか、生きてこられたもんだ。

 

50代前半で死ぬ予定だったのに、まだ生きている。

 

この不思議さというか、しぶとさというか、図々しさに、我ながらあきれます。

 

まだ、やり残していることがあるので、やるべき仕事があるので、

 

もうちょっと、生きてみようかな、とは思うのですが。

 

 

だから、せっかく生きているんだから、生きているうちに、いい映画を1本でも多く見ようかと。

 

 

 

 

今日の映画は、俺にとって、福音でした。

 

映画の神様に、感謝申し上げます。

 

 

来年も、いい映画にたくさん出会って、心を磨きたいと思います。

 

 

…カセットテープ、久々に聴いてみようかな。

 

 

 

(カンヌ国際映画祭 男優賞、エキュメニカル賞受賞作品)

映画 「ほかげ」

大人は、子供に何かを残し、子供は、大人から何かを学んでいく。

 

 

塚本晋也監督最新作。

 

監督・脚本・撮影・編集・製作をひとりでこなす、オリジナルムービー。

 

 

舞台は、戦後の日本。

 

主人公は、焼け残った居酒屋で、体を売って生きている女。

 

仲介人のおっさんが、客を連れて来る。酒も持って来る。

 

来たついでに、女を抱いて行く。

 

盗んだ食料を持って、少年も現れる。

 

罵り合いながらも、いつしか、連帯感のようなものが芽生えて…

 

 

 

相変わらず、塚本映画は、匂いと汗臭さが漂う。

 

そこに、生きている人間がいて、絶えず葛藤している、という雰囲気がすごい。

 

台詞少なく、暗がりで、蟲のようにうごめく人間という存在が、異形に見える。

 

 

主演は、趣里。

 

彼女の映画は、「生きているだけで、愛」「零落」に続いて3本目。

 

毎回、脱ぎっぷりのいい女優さんだなあ、と思っていましたが、

 

本作では脱ぎませんので、朝ドラファンの男性諸君はガッカリしないように。

 

彼女の肢体を拝みたい人は、上記2作品を見て下さい。

 

脱がないからこそ、着物からすっと出ているオミアシが妖艶で美しいと感じました。

 

 

確か、江口のり子も、やられまくる映画に出ていたなあ。「戦争と一人の女」だったかな。

 

彼女は淡々と演じていて、男を見下しているようで、クールだった。

 

 

本作の趣里は、何と言うか、なまめかしい。体温があって、感情がちゃんとある。

 

孤独と喪失と焦燥の中で、もがく力もなく、ただ、あきらめてしまっているような…

 

それでいて、何かを強烈に求めているような、飢餓感がある。

 

 

お客で来る青年の他に、後半、もうひとりの男が登場します。

 

演じるのは、森山未來。

 

右腕が不自由な感じの、帰還兵のイメージ。

 

 

少年は、この2人の男から、それぞれ、何かを学びます。

 

子供は、大人には力ではかなわないけど、考える力と敏捷な肉体を持っている。

 

僕は、お前らの言いなりにはならないぞ、という感じの、睨みつける瞳が眩しい。

 

果たして俺は、彼の瞳を、正面から見つめることができるだろうか。

 

 

君は少年 輝いているその目は 何を見るだろう (←ヴァイファム)

 

 

少年の瞳は純粋だから、見たものを、ありのまま映し出す。

 

大人の濁った瞳は、光を屈折させ、全く違うものを見させてしまう。

 

 

女の、訴えるような目。

 

真面目な青年の、心を病んだ目。

 

ワルの青年の、何かを秘めた目。

 

そして、彼らを睨む少年の目…

 

 

この映画の主人公は、少年かもしれない。

 

彼は、色んなものを目の当たりにして、

 

常識が通じない、無法地帯となったこの世界で、

 

頼る人もいなく、ひとりで、生き抜いていこうとしている。

 

 

 

俺自身、自分の生まれた環境に絶望しながら生きてきたけど、

 

今もこうして、のうのうと生きている。

 

生まれたからには、命ある限り、最後まで生きねばならぬ。

 

 

本来、世界はこういうものであって欲しいのに。

 

本来、自分はこういう生き方をしたかったはずなのに。

 

本来、家族って、あたたかいものであるはずなのに。

 

現実をしっかり見ることで、自分が何を願っているのかを知ることができる。

 

 

「ほかげ」は、広辞苑によると、「火影」と書きます。

 

意味は、火の光。ひかげ。とあります。

 

そうか、「日影」じゃなくて「火影」なんですね。

 

 

これは、地獄の業火で焼かれた者にしか見えない、火影の世界を体感する映画。

 

どんな姿になっても、どんな状況になっても、自分の生を生きようとする者たち。

 

極限状態になった時にこそ、その人の本性とか、色んなものが出てくる。

 

 

大人は、子供に対して、模範とならねばならない。

 

子供は、大人から教えを受ける権利がある。

 

しかし、社会が崩壊したら、本能と欲望だけの世界になっちゃう。

 

そんな世界で、どこまで正気でいられるのか…

 

 

汚いもの、醜いものから目を背けず、少年は、射るように見る。見まくる。

 

ひとつひとつを、目に焼きつけていく。

 

この光景が、何かの肥やしになり、よりよい未来を生きるための糧になって欲しい。

 

少年よ、逞しく生き抜け。

 

 

見つめる。見下ろす。見下す。見過ごす。見送る。見据える。そして、見守る。

 

しっかり見ることは、真っ直ぐに進むための準備。

 

がっつり睨みつけるのは、戦う意思表示であり、戦闘態勢。

 

 

この少年は、ずっと戦い続けている。

 

毎日が、生き残るための戦いなのだから。

 

 

火影にゆらめく、ぼんやりとした魂。

 

今にも消えそうで、なかなかしぶとい、人の命。

 

後悔しないように、己の心の赴くままに。

 

 

…少年よ、旅を続けるべし。

 

 

 

 

映画 「エクソシスト 信じる者」

肉を切らせて、骨を断つ。 …チンピラ悪霊ども、ナメんじゃねえ!

 

 

このタイトルで公開される映画は、やっぱり、気になってしまいます。

 

俺が幼い頃に震え上がったアレは、今も、トラウマであり、懐かしい記憶。

 

 

「エクソシスト」とは、「悪魔祓い師」を意味します。

 

ちなみに「エクソシズム」は「悪魔祓い」の儀式そのもの。

 

 

 

ウィリアム・フリードキン監督「エクソシスト」は、金字塔である。

 

ホラー映画としても、宗教映画としても。

 

少なくとも、カトリック系の信者を増やした功績は、計り知れないかと。

 

(確か、神父はカトリック、牧師はプロテスタントだったかな)

 

俺は、ウィリアム・ピーター・ブラッディの原作本も、ハードカバーで持ってます。

 

 

それにしても、このシリーズは、何作あるんでしょうね。

 

基本、三部作があって、レニー・ハーリン監督のエピソード0があって、

 

ビデオ会社が勝手につけたイタリア映画の「3」があって、

 

レスリー・ニールセンのアレがあって…

 

ポール・シュレイダー監督の「ドミニオン」は見ていないけど、あるらしい。

 

 

でもやっぱり、何と言っても第1作ですよね☆

 

子供心に、病院で、リーガンが拷問のような検査を受ける姿が痛々しくて、怖かった。

 

ああ、なんて純粋な女の子なんだろう、って。

 

周りの大人たちが、全部悪者に見えたもんです。

 

 

メリン神父が訪れる時の、あの雰囲気がいい。

 

来やがったな、と睨みつけるリーガンに、すがるような視線の母親…

 

荒れ狂うリーガンの特殊メイクは、巨匠ディック・スミス。

 

白い息が凍りつくような寒い部屋で、粛々と行われる悪魔祓いの緊迫感。

 

壮絶な戦いの末に、身を挺して少女を救ったカラス神父の勇姿。

 

 

別れ際に、神父にキスをする時の、純粋さを取り戻したリーガンに、ウルウル…

 

これを持っていて、と言われて受け取った神父が、ペンダントをゆっくり握りしめ…

 

そして、チューブラー・ベルズの美しい旋律!

 

 

ああ、たまらん。忘れられない、本気で怖がった、幼い記憶の1本。

 

そのシリーズ最新作が、スクリーンに登場。

 

これを見ずには、今年が終わらない、ってもんだ。

 

 

 

 

 

本作の主人公は、黒人の女の子。

 

彼女は、親友の同級生と一緒に、放課後、森へ行ったきり、行方不明になる。

 

二人は“神隠し”になり、三日後に発見される。

 

その日から、二人の身に、次々と怪異が起きるのであった…

 

 

悪魔(というより悪霊)が乗り移った体が2つで、

 

役に立たないような神父しかいないので、

 

近所の住人やオカルトマニアみたいな連中が団結して、除霊を試みることに。

 

 

ええ~ それって、ゴジラー1.0じゃん!

 

大丈夫か、そんなんで。で、それで立ち向かえる程度の、チンピラ悪霊かよ?

 

さあ、どうする? どうやって救う?

 

 

ドタバタしながらも、何だかワクワク。

 

うれしいことに、エレン・バースティンが再登場。(何と90歳!)

 

そして、もうひとり、チラリと大物ゲストが… ぜひ、お見逃しなく。

 

 

 

 

俺は、宗教を否定しません。

 

むしろ、信仰者を尊敬します。

 

(俺自信、ちゃんとした信仰者になれなかった男なので)

 

ただ、やみくもに騒ぎ立てる、バカ信者どもは、軽蔑します。

 

お前らこそが、悪魔の手先だろ!と言いたい。

 

 

純粋に、神の力を信じて、生活で実践していくことが、魂の救済になる。

 

邪悪な霊に凌辱されている、無垢な魂を守るには、超自然的な力が必要。

 

 

 

俺自身、子供の頃から魂をいためつけられて育ったので、心の奥に、悪霊がいるのと同じ。

 

トラウマ、フラッシュバック、罪悪感や焦燥感、自虐思考に、自殺願望。

 

“奴ら”は、影の声で、本心を責め続けてくる。

 

卑怯者は、一番弱いところを執拗に狙うのだ。

 

 

それに立ち向かうには、それを克服するには、強い精神を築いていくしかない。

 

そのために、仲間が必要で、協力者が必要で、防波堤や逃げ場が必要なのだ。

 

魂が弱って、戦えない状態は、死に体となり、やすやすと食われてしまう。

 

だから、この魂を助けたいと願う者たちが力を合わせて、邪悪な敵の前に立ちはだかるのだ。

 

 

この子たちの魂は、我々にとって大切なものだ、ということを、わからせるまで言い続ける。

 

愛する者を、かけがえのない宝物を、何があっても守りたい、という気持ちに、神が働く。

 

 

クライマックスでは、観客にも力が入る。

 

一緒に、囚われた魂を助けるために、念を、スクリーンに集中させていく。

 

プリキュアのペンライトみたいに、画面に力がみなぎり、温度が上がっていく。

 

 

過去にやり残したことを、助けられなかった人への思いを、この映画にぶつけて下さい。

 

今年に思い残すことがないように、悪霊どもを、皆殺しにしてやりましょう。

 

信仰こそは、侵攻してくる敵をやっつける、真光の刃。

 

 

 

…薄汚ねえチンピラ悪魔に、チェーンヒート!

 

 

U-NOTE Ⅲ 「め組の大吾と、ゴジラと、新しい学校のリーダーズと、養豚」

こんばんは。桑畑です。まだ、生きております。

 

 

今、新作映画の記事を書きかけているのですが、

 

たまたま、録画したTvアニメを再生していて、おっ、と。

 

「め組の大吾」で、陥没した道路に落ちて生き埋めになった要救助者を救うべく、

 

はしご車2台で、引っ張り上げるミッションが展開しました。

 

 

…あっ、これは、ゴジラー1.0のアレだ!

 

 

心臓マッサージをするシーンで、ふっ、ふっ、とやる時に、首が水平にククッ、と。

 

 

…あっ、オトナブルーだ! (不謹慎ですいません)

 

 

映画「ベイビーわるきゅーれ2」の主題歌「じゃないんだよ」がよかったので、

 

ずっとここ最近、新しい学校のリーダーズを聴いておりました。

 

(個人的には、「恋の遮断機」「毒花」「恋ゲバ」「ピロティ」が気に入ってます)

 

 

首を真横に動かすアクションといえば、「Ai」のジュード・ロウもありましたねえ。

 

(そっちの方を先に思い出せよ、って話ですよね)

 

とにかく、俺という人間は、映画や小説や、出会った物語で、生きる悲しみを中和してきたもので。

 

言い換えれば、そうでもしないと、今日まで生き抜いてこられなかった、とも考えられますなあ。

 

 

俺は絶対、消防隊員にも警察官にも医者にもなれない人間だと思う。

 

だから、非正規とはいえ、保育士をやっている娘が、すごいなあ、と思う。

 

きっと、カミさんに似たんですね。

 

 

 

 

 

7年間の養豚場勤務の中で、豚の死にたくさん対面してきました。

 

生まれてくる命があれば、死んで行く命もある。

 

生まれたからには、いつかは死んで行くのは当たり前。

 

それが、早いか遅いか、の違い。

 

 

だけど、

 

死んだ理由が、自分のせいだったら…?

 

 

自分がもう少し、ああしていれば、こうしてれば、防ぐことができたんじゃないか、って。

 

昨日まで元気に餌をパクパク食べていた豚が、出荷間際に急死してしまう。

 

売れば、3万円くらいになったのに、死んだ途端に、産業廃棄物になっちゃう。

 

お金になるはずの“商品”が、“ゴミ”になって、お金を取られてしまう。

 

もったいない、と思う反面、命としての、何ともやるせない思い…

 

食べられるために生まれてくる、彼女たちの運命…

 

(メスと、去勢されたオスしかいないから、あえて、彼女と表現しておきます)

 

 

当時は、そんなことを考える間もなく、次の出荷でどんどんいなくなり、

 

新しい豚が、肥育者にやって来る。

 

 

あれは、貴重な体験でしたねえ。

 

 

上司があんなクソ野郎じゃなければ、もう少し、続けられたのかもしれませんが、

 

もともと、俺には向いていなかったんだと思います。

 

今となっては、そう言うしかないでしょ。

 

 

医療現場でも、犯罪現場でも、救助現場でも、

 

的確で冷静な判断と、粛々とした行動が、必要とされる。

 

 

無理~ 俺には絶対できねえ~

 

 

だからこそ、それができる人たちを、心から尊敬します。

 

 

 

コロナ禍が過ぎて、人がいっぱい動くようになって、犯罪も事故も増える。

 

かといって、コロナの時が平穏だったかといえば、そんなことはない。

 

人は、行動できてこそ、人らしくなれるのだから。

 

 

 

 

 

俺は、仕事をしていて、楽しい、という気持ちを味わったことが、ほとんどありません。

 

なくはないのですが、極度の緊張と恐怖と戦慄の連続だったように、記憶しております。

 

 

社会人になって、38年。

 

桑畑は、初めて、人間として、大切にされているように感じております。

 

だから、命が続く限り、この仕事をがんばりたいです。

 

 

 

平穏は、そう長くは、続かない。

 

この、ささやかなひとときも、きっと近いうちに、崩壊してしまうでしょう。

 

 

その日まで。

 

その時が来るまで。

 

 

もう少し、今を楽しみたいと思います。

 

 

 

 

明日までには、新作映画の記事を、更新しますので、期待しないで、お待ち管さい。

 

 

 

U-NOTE Ⅲ 「HSP」

最近、ようやくこの言葉を覚えました。

 

ハイリー・センシティブ・パーソンの略で、精神的気質のことらしいです。

 

 

どうしてこの言葉を知ったかというと、半年前に入社してきた、後輩がきっかけ。

 

製麺の経験がある男だそうで、社長としても興味深々だったんですが、

 

彼は、面接の段階から、何か、普通の人と違う雰囲気があったらしく、

 

社長から、こういう人が応募してきたんだけど、どう思う? と聞かれたんです。

 

 

俺は、自分自身、色んな目に遭っているし、人の可能性を否定したくないので、

 

やる気のある若者には、チャンスを与えてあげて欲しい、と言いました。

 

社長は、そうか… うーん、どうしようかな… じゃあ、採用してみるか、と。

 

 

彼が初出勤して、初対面してみると、ほうほう、なるほど、何か抱えている感がたしかにある。

 

経験はあるけど、ウチとはやり方がまるで違うらしくて、わからないことだらけ。

 

そりゃあ、ウチの機械なんて、やっと動いているポンコツばっかりだもんなあ。(俺も)

 

確かに、話し方とか、目つきとか、人をイラっとさせるような影を感じる。

 

 

基本、人と話さないので、理由を聞いてみると、

 

仕事ができるようになるまでは、人と話さないことにしています、と。

 

きっと、今までの職場で、何かあったんだろうな。

 

彼をそうさせている何かが、絶対あるに違いない。

 

 

でも、さすがにそれではマズいので、すかさず指導を入れました。

 

前の職場で何があったかは知らないけど、ここでは、その態度ではダメです、と。

 

ウチの職場は、積極的にコミュニケーションを取った方が、早く覚えられるし、

 

みんなで協力し合った方が、いい仕事ができるから、と。

 

なので、今のうちに、その考えは改めて下さい、と。

 

 

彼は、そうですか、はい、わかりました。と返答してくれました。

 

 

 

 

よかったのは、早い段階で、彼が「自分はHSPなんです」と打ち明けてくれたこと。

 

聞き慣れない言葉だったので、スマホで検索してみると… へえ、そういうことか。

 

 

社長や奥さん、ベテランの先輩方には、病気じゃなくて、生まれ持った資質なので、支障ありません、と。

 

ただ、普通の人とは多少、仕事のセンスが異なるかもしれないので、適正を確認する意味で、

 

しばらく様子を見ながら、俺が指導してみます、と。

 

 

そう言ったからには、俺には先輩社員としての責任がある。

 

最初は、俺の担当する仕事を教えていたんですが、どうも彼には、厳しいかも…

 

なので、俺の次の工程をさせてみたところ、どうやら、こっちの方が、動きがいい。

 

 

俺は、第一工程のミキシング担当。彼は、第三工程の切り出しをやってもらうことに。

 

第二工程のローリングは、手の空いている方がやる、というポジションでいこうと。

 

ミキシングは今、俺にしかできないので、切り出しは、社長と奥さんと先輩方が交代で指導。

 

もともと人手が足りないので、彼が入ってくれるだけで、ウチは大助かり。

 

 

見たところ、仕事が丁寧で、真面目で一生懸命。いいじゃん。

 

慎重過ぎて、たいぶゆっくりかなあ、と思う面もあるけど、慣れればきっと大丈夫。

 

黙々と作業するタイプなので、職人向きかもしれませんね。

 

毎日休まずに通ってくるし、少しずつ、腕も上達しているみたいです。

 

もともと経験があるから、すでに、貴重な戦力になっています。

 

 

 

 

 

HSPは、生まれつき、非常に感受性が強く、敏感な気質を持った人。ということらしい。

 

人口の15~20%が該当するというから、ほぼ5人に1人。

 

①情報を、深く処理する

 

②過剰な刺激を受けやすい

 

③共感しやすい

 

④心の境界線が薄く、もろい

 

⑤疲れやすい

 

⑥自己否定感が強い

 

以上の特徴があるらしく、人よりも感度の高いアンテナを常に張っている状態。

 

 

 

あれっ? これって、俺のことなんじゃないか?

 

まあ、これだけあれば、何かひとつくらい、あてはまりそうなもんか。

 

それでも、俺自身、普通の人とは決定的に違う何かを持っていることだけは確か。

 

 

このこと自体は、病気ではないけれど、

 

弱い部分を長期によって痛めつけられたら、精神病になってもおかしくないでしょう。

 

俺は、43歳で発病して、地獄の苦しみを長年にわたって味わったけど、

 

彼はまだ、32歳。心の傷が浅いうちに、いい職場に出会えれば、健常者でいられる。

 

 

だから、HSP資質の人は、精神を病む手がかりが掴みやすい、と言えるのでは。

 

 

 

考えてみれば、俺は絶対、かわいくない子供だったに違いない。

 

かわいくないから、かわいがらない。愛されないし、憎まれる。

 

ある意味、虐待されても仕方がない一面があったのでしょう。

 

それでも、ここまで生きてこられたのは、奇跡。

 

そして、今の職場に拾ってもらえたのは、幸運というもの。

 

 

そう思うと、彼との出会いも、面白い偶然だと思うんですね。

 

 

彼は、あまりみんなの中に入らないし、昼休みも単独で過ごす。

 

でも、それが彼にとって楽なら、それでいいと思う。

 

休み時間は、休むためにあるんだから。

 

 

弱点があることは、悪いことじゃない。

 

自分の弱さを知ることは、本当の強さを発揮するために、大切なこと。

 

他の人と違うということは、みんなと同じことはできないけど、

 

みんなにはできない、何かができる可能性がある、ということ。

 

自分の中に眠っている、自分だけの優れた能力が、きっとあるのだから。

 

 

 

 

 

最初は、あいつ何なの、みたいな空気があったけど、

 

彼の仕事ぶりを見て、みなさん、だんだんと彼を受け入れてくれているように感じます。

 

 

今、俺と彼のコンビで、毎日、いい麺を作っています。

 

腕が上がれば、品質も上がる。

 

安定した商品は、ラーメン屋さんの仕事を円滑にしていく。

 

おいしいから、お客さんが増えて、発注数が増える。

 

好循環によって、みんなが幸せになれれば、うれしいな。

 

 

今日は、定休。午後からまた、映画館に行きます。

 

そして明日はまた、早朝から彼と一緒に、いい仕事をしたいと思います。

 

 

 

俺をずっと応援して下さっている皆様に、感謝申し上げます。

 

桑畑は、ここにきてようやく、苦しい地獄のうつから、回復してきたようです。

 

よろしければ、後輩の彼のことも、心の片隅で応援して下さるとありがたいです。