映画熱 -5ページ目

映画 「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」

血筋っていうのは、恐ろしいもんだと思いました。

 

 

鬼太郎の映画なのに、PG12って何じゃい?

 

そういう素朴な疑問が湧いて、これは見ねばならん、と。

 

 

監督の古賀豪と、脚本の吉野弘幸は、TVシリーズ第6シーズンを担当したお二人。

 

原作はもちろん、水木しげる。93歳でお亡くなりになってから、もう8年。

 

ということは、生誕100周年記念作品、ということになるのかな。

 

本作は、貸本屋時代の「墓場の鬼太郎」の、さらにエピソード0の物語。

 

 

ゲスト出演レベルとして、鬼太郎、目玉おやじ、猫娘が登場しますが、

 

本作の主役は、五体満足だった頃の、若き日のおやじさんとおふくろさん。

 

さあ、鬼太郎は、どうやって誕生するのでしょう? とくとご覧あれ。

 

 

俺的には、物心ついた子供なら充分理解できると思います。Gにしなさい。

 

 

 

 

物語の舞台は、昭和31年の、地方の島の村むら。

 

ここの大ボスのじいさんが亡くなり、遺言書が読み上げられ、大騒動になってしまう。

 

金田一やら、ミステリというなかれやら、よくあるアレですな。

 

野心に燃える青年、水木は、訃報を聞き、東京から駆け付ける。

 

彼の勤務する会社は、帝国血液銀行…うっはー。

 

後継者の最有力のおっちゃんが、その会社の社長なんですな。

 

 

ところが…

 

 

遺言書には、意外な人物の名前が… そんなバカな!

 

さらに、次々と、連続殺人が起こり、村は大混乱。

 

そこに、怪しい人物が捉えられて連行されて来た。

 

彼を見るなり、集団ヒステリーと化した村人は、殺せ殺せ殺せと大合唱。

 

 

…待て! 落ち着け! 彼を殺すな!

 

救ったのは、水木であった。

 

どう見ても、奴が殺したとは思えない。

 

謎の男は、牢に入れられ、水木は、監視役をさせられる。

 

 

おい、同じよそ者同士、同盟を組まないか。

 

戸惑いながらも、二人は協力して、この村の謎に挑むのであった…

 

 

 

水木を演じるのは、関俊彦。

 

おお、もう彼も、61歳になっちゃったんですねえ。

 

「YAWARA!」の松田君は、やんちゃな感じだったけど、

 

「海がきこえる」では、主人公よりカッコよかった。

 

「八犬伝」「ワイルド7」のヒバ、「ガンダムW」のデュオを経て、

 

「仮面ライダー電王」では、モモタロスでブレイク。カッチョええ男ですなあ。

 

 

で、鬼太郎のおやじですが、名前がありません。

 

なので、名前をつけられることになります。そこは、映画館で確認してね。

 

風貌は、「蟲師」のギンコみたいで、笑えます。

 

でもちゃんと、両目があるんですよ。

 

どうしてその髪型なのかは、映画で語っていますので、お見逃しなく。

 

 

面白いのは、ネズミ男が登場すること。

 

なるほど、だから彼は、鬼太郎を見下すような話し方をするんですね。

 

 

そして、色んな妖怪が、次々と出て来るのが嬉しい。

 

さがり、ゾクゾクしましたなあ。

 

転がってくるあいつは、何か言ってるなあ。

 

あれはもしかして、アレなのなあ、なんてね。

 

 

とにもかくにも、妖怪好きのみなさんは、見ておくべき1本。

 

 

驚いたことに、俺が見に行った時は、観客が20人くらいだったんですが、

 

俺以外が、みんな女性でした。

 

30代~40代くらいのひとり客か、ふたり客で。

 

劇中、すすり泣きがあちこちで聞こえて、いい臨場感でした。

 

 

そして、エンドロールで、あの名曲が流れます。

 

いいねえ~ 音楽は、川井憲次!

 

さすが、心得てらっしゃる。エライ!

 

 

もう一回、「墓場の鬼太郎」の1巻を読み直したくなりました。

 

どこかにしまってあるはずだから、探してみよう。

 

 

 

世の中の、善と悪とをくらべれば、恥ずかしながら、悪が勝つ。

 

神も仏もねえものか。

 

 

だけどね、いい行いも、悪い行いも、誰かがどこかで見ているんだよ。

 

変な感じがしませんか。

 

君が信じているものも、突然、ひゅう、どろん、するかもしれないよ~

 

妖怪っぽい~ 妖怪っぽい~ あいつもこいつも妖怪っぽい~

 

 

もちは餅屋。 妖怪は鬼太郎におまかせ。

 

鬼太郎は、幽霊族の末裔。

 

じゃあなんで、鬼太郎は、人間のために戦ってくれるのか。

 

そこも、映画を見れば、わかります。

 

何でゲゲゲなのかも。

 

 

 

 

無念も、心残りも、忘れられない思いも、かなわなかった願いも、

 

全てが、この世を生きたからこそ、味わった感情。

 

心は、行動なくしては、成長しない。

 

耐え難くて、我慢できなくて、辛抱しきれなくて、

 

気がついたら、走り出していた。

 

大切な人を守るために、大切な気持ちに嘘をつかないために、

 

勇敢に行動することが、愛と勇気と力を生み出す。

 

 

まだまだ、これでは終われない。

 

歴戦の勇士たちの、誇り高い戦いを、しかと見よ。

 

 

…戦い抜いて、未来を語れ!

映画 「駒田蒸留所へようこそ」

失敗は、熟成してこそ、その栄養が他の誰かに伝わる。

 

 

ウイスキーを題材としたアニメーション映画が公開されたと聞いて、

 

他の映画を全部さしおいて、この映画を見に映画館に行きました。

 

 

い~い映画ですね~ ジーンときました~

 

 

絵柄的には、ああ、今どきだなあ、と思いましたが、

 

物語にこめた思いというか、テイストが、時間が経つ毎に、しみじみと…

 

まるで、時間差攻撃のように、心にしみてくるんですね。

 

 

これはまさに、老若男女関係なく、勉強になる映画と言っていいでしょう。

 

 

 

長野県にある、駒田蒸留所。 主人公は、社長の娘である、駒田琉生(るい)。

 

(演じる声優は、早見沙織。鬼滅のしのぶさんと、殺し屋ヨルさん。主題歌も彼女)

 

オリジナルのウイスキーを開発し、活気あふれる職場であったが、

 

災害により、致命的なダメージを受けてしまう。

 

亡くなった父の遺志を受け継いで、彼女は一念発起して、後継者の道を歩むことに…

 

 

と、シンプルに説明してしまうのは簡単ですが、

 

俺はあえて、男子が主人公である、と言いたい。

 

(エンドロールで最初にクレジットされたのが彼女だったもんで。一応)

 

なので、俺的には、主人公は、記者の高橋くんです。

 

 

彼は、ネット配信のジャーナリスト、新人ライター。

 

まだ働いて半年で、この仕事に誇りもこだわりも持っていない様子…

 

ある日彼は、突然、蒸留所の取材をして来い、と言われる。

 

明日から行け。ええっ、明日は休日ですけど… いいから行け!って感じ。

 

ぶつぶつ言いながらも、しぶしぶ、現場に向かう彼の運命は…?

 

 

ね、こう書くと、全く違う視点で映画を楽しめる感じがしませんか。

 

こういうのが、本当のダブル主演ってやつなんじゃないかな、なんてね。

 

 

蒸留所の、女若社長と、母親。

 

彼女の相棒である、はっきりものを言う、やり手女子。

 

彼女に近づく、謎の男…

 

老練な、技術者のじいさん。

 

その世界に、ぽっと飛び込んだ、主人公の記者。

 

 

やる気まんまんの職場で、気後れしてしまって、

 

しかも、全然興味のない、お酒の仕事なんて…

 

 

これは、揉め事必死ですなあ。

 

 

 

俺はおっさんなので、若者ががんばっていることには、口を出しません。

 

ただ、失敗して凹んでいる人には、かけられる言葉がたくさんあります。

 

 

だって、俺は人一倍、カッコ悪い人生を生きて来た男ですから!笑

 

 

 

アニメーション制作は、P.A.WORKS。

 

今まで、お仕事シリーズとして、数々の作品を生み出して来たスタジオだそうです。

 

なるほど、それで、作品に深みがあるのかな。

 

 

俺が感じた範囲では、登場人物がみんな、何かを“失敗”しています。

 

それは、やってしまった途端に感じる、ダイレクトな失敗だったり、

 

時間が経ってから気づく、時間差の失敗だったり、

 

本人が自覚していない、闇に埋もれた失敗だったり…

 

俺は、幼い頃から、失敗=激怒、という公式のもとに生きてきた人間なので、

 

失敗したら殺される、という恐怖がずっと、心の奥底にしみついています。

 

 

だから、失敗しても平気でいられる人が、うらやましくて、しょうがない。

 

でも、そんな生き方では、命がいくつあっても足りないんですよね。

 

うつを長年患って、そのことに気づいたんです。

 

 

 

 

 

ああ、映画に出て来る人たちが、みんな愛しい。

 

こんなに愛情に包まれた環境で育ったなら、

 

俺の人生も、全く違ったものになったかもしれない。

 

 

でも、それはそれ。これはこれ。

 

恵まれたか、恵まれなかったかは、視点と、考え方次第ですから。

 

 

女社長は、これでもかこれでもか、と、苦難に苛まれます。

 

しかしながら、彼女が、なぜここまでがんばれるのか。

 

彼女が、どういう環境で育ったのか。

 

自分のやりたいこと。やるべきこと。やりたくないこと…

 

 

主人公の彼は、何故、やる気が起きないのか。

 

その彼が、どういういきさつで、スイッチオンになるのか。

 

 

きっかけ。理由。起爆剤。

 

若者は、動きたくて、うずうずしているもの。

 

導火線に火が付けば、いやでも、突っ走るもの。

 

考えるよりも行動が先で、走って走ってぶつかって、その時初めて、考えるもの。

 

 

高橋くん、ええやん~ カッコええやん~

 

お前、よかったなあ、いい仕事に出会えて。

 

 

 

 

製麺の仕事にも、熟成という工程があります。

 

麺は生き物なので、生地にしてから、しばらく寝かせるんですね。

 

時間とともに、いい感じで、仕上がっていくんです。

 

 

人間の心も、そういうものなのかもしれない。

 

 

 

とがった心が、まろやかになるまでには、時間がかかる。

 

受け入れられなかったものを、理解できなかったものを、

 

清濁合わせ呑んで、咀嚼して、消化吸収して、自分の栄養にしていく。

 

 

戦わなければ、免疫が獲得できない。

 

経験がなければ、敵の正体が不明のままでは、いつまで経っても強くなれない。

 

 

 

いい人っぽい人が、いい人とは限らない。

 

いい人かどうかは、自分が独断で決めていい。

 

周りの人がどう言おうと、それは関係ないのです。

 

 

 

本作は、体感する映画、と言っていいかもしれない。

 

ああ、こういう人いるよなあ。

 

物語的には〇〇なんだけど、実は、こんな裏設定があるんじゃねえの、なんて。

 

あの人は、きっとこんなトラウマを抱えているんじゃないか…とか。

 

 

 

 

映画を見てから、時間が経って、今、

 

俺の脳内で、色んなサイドストーリーが駆け抜けています。

 

 

 

この記事を書きながら、ジョニーウォーカーブラック12年を飲んでいます。

 

本作は、時間とともに熟成される、ウイスキーのような映画。

 

以前に紹介した本、「ウイスキーボーイ」にもつながる、深み・凄み・旨味・かくし味。

 

ああ、回る回る、地球が世界が、俺の生き様が廻りまくる。

 

 

 

今夜の物語は、今夜だけのもの。

 

明日になったら、過去はすっかりリニューアルされ、新しい物語が始まる。

 

 

 

劇中に登場するウイスキー「独楽」は、ひとりをたのしむ、と書きます。

 

ひとり静かに、己を省みる時間。 それが、晩酌の醍醐味。

 

忘れた記憶の奥底に封印された、本気でがんばった、数々の思い出…

 

 

失敗は、その時だけのキーワードであって、

 

時間が経つと、武勇伝とか、やらかした経験とか、ネタになっちゃう。

 

それを笑い飛ばせる領域までいけば、立派に昇華したことになるんじゃないの。

 

俺はもう、数えきれないほど、取り返しのつかない失敗を重ねてきていますから。

 

 

 

 

ああ、うまいなあ… ウイスキーって。

 

そのおいしさには、秘密があるんですねえ。

 

わかんないけど、わかったような気分になる、不思議なお酒。

 

 

年下の飲み友達に、言われたことがあります。

 

映画で失敗したくないから、面白い映画だけ教えてくれ、と。

 

あっはっは、貴様、わかってないなあ。

 

たくさん失敗したからこそ、成功した時の喜びが大きいんだよ。

 

俺なんか、人生の9割が失敗ですから。

 

生まれなかった方がよかった人間なのに、ウイスキーがおいしい、なんて笑えますね。

 

 

そう思えるだけの、いい味わいを生み出してくれた人たちがいてくれたから。

 

 

 

 

心がこもった仕事には、時間の経過とともに、色んな味わいがにじみ出てくるもの。

 

花火の最後のアレのように、機械部品の耐久性のように…

 

彼らの、いい仕事ぶりは、時間が経ってから評価されることが多いのです。

 

この映画を見て、俺は、数少ない成功体験を、いくつか思い出しました。

 

やっぱり、職人の仕事は、俺に合っているのかもしれない。

 

 

先人の職人たちに、現在活躍中の職人たちに、幸いあれ。 彼らの魂よ、永遠なれ。

 

 

愛の結晶を、栓を開けて初めて呼吸した、生まれたてのウイスキーを、

 

俺は今、心ゆくまで、楽しんでおります。

 

 

 

ウイスキーの美味しさは、芸術である。

 

今日まで、この瞬間まで、歯を食いしばって生きてこられた自分に、

 

やすらぎ&至福のひととき。

 

この時間のために、俺は生きているんだなあ、きっと。

 

 

酔いがまわって、ふう~ いい感じ。

 

成功も失敗も、琥珀色の景色に溶けていく。

 

フラフラ、フラミンゴ。

 

 

 

ジャパニーズウイスキー、万歳。

 

 

…熟成された、色んな想いに、乾杯!

 

 

 

 

※追記

 

入場者プレゼントで、駒田蒸留所の案内小冊子がもらえます。

 

新潟県の吉田電材蒸留所、亀田蒸留所も紹介されています。

 

(他に、富山、山形、茨城、埼玉、静岡、岐阜も掲載)

 

 

U-NOTE Ⅲ 「あえて、更新せず」

今年もあと残りわずかとなりました。

 

製麺所は、これから年末にかけて、忙しくなります。

 

 

思えば、去年の今頃は、慣れない仕事をひとりでこなし始めた頃で、

 

プレッシャーとストレスで、精神がかなりまいっていたっけ。

 

しかしながら、今の職場は、久しぶりに “人間らしく” 働ける環境なので、

 

発病してから初めて、のびのびとがんばっております。

 

 

実は、11月末が期限だった自立支援医療費の延長の手続きを、しませんでした。

 

気がつけば、最後に主治医の診察を受けてから、もう一年になります。

 

あの時処方してもらった頓服の安定剤も、まだかなり残っているし、

 

今となってはもう、受診したいという気持ちが起きません。

 

 

先生ももうかなりご高齢だし、体力的にも大変だろうし、

 

俺のことで煩わしい思いをさせない方がいいかな…なんて。

 

最後にもう一回、あいさつに行こうかなんて思っているうちに、期限が来ちゃったんですね。

 

俺としても、休日は普通に休んでいるし、薬飲まなくても眠れているし、

 

毎日の晩酌が、安定剤の役割をしているので、もう、治療の必要性はないかと。

 

 

正直なところ、一応、更新だけはしておこうかと思ったんですが、

 

今年は、5月に父親の借金騒動があって裁判所に出向いた時も、何とか乗り越えたし、

 

薬は飲んだけど、療養しなければならないほどには、ダメージを受けなかった。

 

それよりも、仕事をちゃんとやりたい、という気持ちが勝っていたように思います。

 

父親がこの世にいない、という安堵感が、不安感を打ち消したんじゃないか、と。

 

兄がどこかでフラフラ生きているかもしれんが、もう知るか。

 

少なくとも、父親絡みで、殺人や自殺を企てる要因がなくなった、ということだけは事実。

 

その呪縛が解けたら、やっと、現実をありのままに見る余裕が出てきたんですね。

 

 

 

製麺の仕事は、大変だけど、楽しい。

 

決して簡単な仕事じゃないけど、やりがいがある。

 

こんなおっさんでも、役に立てることが、嬉しい。

 

あれだけの地獄を切り抜けて来た男だから、少々のことには、動じない。

 

TVの取材が来た時も、オンエアされた時も、堂々としっかり、向き合うことができた。

 

機械のトラブルも、不測の事態にも、今のところ、冷静に対処できています。

 

中途採用のおっさんは、今では、職場仲間とすっかり馴染んでしまいました。

 

(飲み会の度に、存在感が増していく、不思議な男)

 

 

ずっと工場で金属加工をしていて、電子部品やら気象観測機器やら、

 

養豚場で豚を育てたり、鋳造やプラスチック再生工場を経て、

 

重度のうつ状態で、社会に出れなくなり、療養が続き、

 

靭帯損傷、打撲で脚が丸太のように腫れ上がって、2度歩けなくなり、

 

それでも、何度も何度もリハビリして立ち直って立ち上がって、

 

田舎の2駅を歩き通せるくらいに回復し、ジムにもまた通うようになって、

 

精神も肉体も、後遺症はあるけれど、毎日、ちゃんと動かしております。

 

 

たぶん、行動しなくなると、心も体も、退化していく一方なんじゃないかと。

 

動かせるうちは、ガンガン動かしていれば、そう簡単にダメにはならない。

 

 

55歳で再就職して、すでに56歳。

 

人生、何が起こっても、再起のチャンスはいくらでもあるものです。

 

11回目の仕事を得た男は、10転び11起きの状態で、がんばっております。

 

 

色んなものを失ったけど、新たな世界を獲得しました。

 

多くの友達も失ったけど、その分、楽になりました。

 

ストレスを感じるだけの人間関係は、友情とは全く正反対。

 

そういう、一方的で疲れる相手は、ことごとく関係を断ち切ったんですね。

 

ダラダラと、相手の機嫌をうかがうような力関係は、もういらない。

 

こっちだけが消耗していくなんて、もう無理。だからバッサリ。

 

困惑した者も多少はいたみたいだけど、俺にとっては、自然な流れの断捨離。

 

 

重たい荷物は、もう、全部捨てました。

 

そのリスクは果てしなく大きいけど、残りの生きる時間を快適に生きるためには、

 

自分が自分らしく余生を送るためには、必要な決断だったのです。

 

それを理解できない鈍感な奴らは、もう、放っておく。

 

自分の言動が、いかに人を苦しめたかを自覚しないから、勝手なことを平気で言うのだ。

 

そんな疲れる人間関係なんて、いらない!

 

 

俺は、ここに来て、多くの友人を失いました。

 

というか、多過ぎたんだと思う。

 

俺には、そんな人望はないし、そんなに器用じゃない。

 

だから、荷物を軽くしたんです。

 

その結果、生きるのが、少し、楽になっちゃった。

 

 

大人気ない、と非難する者。

 

あいつは、社会人失格だ、蔑む者。

 

リアルな人間関係は、最小限でいい。

 

今年は、自分自身が、いかに人間として小物なのかを、思い知らされる年となりました。

 

 

等身大。

 

身分相応。

 

俺には、ちゃんとした社会生活は、無理。

 

人並みな生活も、無理。

 

 

ただ、残りのわずかな人生を、自分にできる精一杯の生き方で、

 

できるだけ、周りに迷惑をかけずに、ひっそりと過ごしたい。

 

 

仕事をして、稼いだお金で映画館に行って、いい映画に出会い、

 

飲み屋で出会った仲間たちと楽しい時間を過ごして、晩年を過ごす。

 

ジムで汗を流して、疲れたら休んで、朝起きたらまた仕事に行って、

 

みんなにおいしく食べてもらえるような麺をたくさん作って、

 

誰かの役に立てる喜びを感じながら、おいしい酒を飲みたい。

 

飲み屋の女の子たちや、カラオケ仲間たちと盛り上がって、楽しいひとときを過ごしたい。

 

 

色んなひどい目にあって、久しぶりに得た、貴重で穏やかな時間を、俺は大切にします。

 

これから、人生の最終章に向かうのだ。

 

 

映画 「スキンフォード 処刑宣告」

やっぱり、タフな奴が、最強。

 

 

オーストラリアの変な新作が、しれっと公開されたので、気になって映画館へ。

 

「首」では、おっさんたちが首チョンパされまくりでしたが、

 

こっちは、おねーちゃんたちが、埋め込まれた爆弾で、次々にボンッ!

 

R15指定の2本として、組み合わせがちょうどよろしいかと。

 

 

スキンフォードは、主人公の名前。ちなみに、ジミー・スキンフォード。

 

彼は、相棒と一緒に、トラックの積み荷を運ぶヤバい仕事を任される。

 

しかしそれは、地獄への入り口であった…

 

 

ヒロインは、ゾフィア。何度も死にかけたのに、どういうわけか、死なない女。

 

彼女の能力は、どうやって獲得したのか。謎の犯罪組織の正体は?

 

ユルいジェットコースターに乗って、あっという間の84分の旅をお楽しみ下さい。

 

 

 

とにかく、何だか笑えます。

 

おいおい、とツッコミたくなる場面が次々と展開され、

 

そもそも、いやいや、あれあれ、うわうわ、やれやれ…って感じ。

 

何だか途中から、のほほんとした気分になってきました。

 

 

無条件に理不尽にどんどんぶっ殺される映画というと、

 

メル・ギブソン監督の「アポカリプト」を思い出しますが、

 

そこまでのインパクトはない。

 

シチュエーション的には、だいぶ前に見た、「レベル13」とか。

 

でも一番近いのは、「バトルロワイヤル」かなあ、と。

 

 

よくある、時間軸がバラバラで、不規則に進んだり戻ったりするやつ。

 

巻き込まれクライムサスペンスの体をなしてはいるが、

 

そもそも、主人公が、かなり嫌な奴。

 

ちなみに、彼の父親も登場するので、その辺がタイトルの意味なんじゃないかと。

 

 

問題は、主人公が出会う、謎の女ですね。

 

 

彼女は、「キルビル」のユマ・サーマンみたいな登場をします。

 

どこか冷めていて、ふてぶてしい。

 

能力の意味はよくわからんが、とにかくすごい自信だ。

 

 

観客は、全裸で手錠のカップルと一緒に、唖然としながら楽しむしかありません。

 

 

そして、きったねー医者が登場するのも見どころ。

 

アレですな、何だっけ… そうそう、「ムカデ人間」!

 

爆弾を埋め込む手術がテキトー過ぎて、あらあら、ガチャン、って。

 

 

とにかく、出て来る奴らが、みんなおかしい。

 

まあ俺自身もマトモな人間じゃないから、何だか居心地がいいような…ううむ。

 

この世界だったら、思い切った行動ができそう。どうせ何やったって死ぬんだし。

 

 

 

ぎゃあ~ 殺される~ 何で?

 

彼女たちは何故、あられもない姿で、トラックに閉じ込められていたのか?

 

身体に埋め込まれた爆弾が、ピッピッピー…ボンッ!

 

時間も考える余裕もないぞ、どんどん突っ走れ。

 

 

不死身の女と、死なない男。

 

最凶のカップルだぜ。殺せるもんなら殺してみろ。

 

バカをナメんじゃねえ。殺されるくらいならぶっ殺す。

 

 

…かかってきやがれ、どいつもこいつも道づれにしてやる!

映画 「首」

パワハラ、セクハラ、ムカッ腹。 …昨日、何食べた?

 

 

北野武監督、最新作。 今回は、時代劇。

 

うっはー、アレな映画ですねえ~

 

「座頭市」がアレだったし、あ、もしかして…なんてね。

 

俺が思うに、大島渚監督へのオマージュなんじゃないかと。

 

ええと… 何て言ったらいいのか。 まあ、お察し下さい。

 

 

「真夜中のカーボーイ」

 

「ベニスに死す」

 

「ブエノスアイレス」

 

「ブロークバック・マウンテン」

 

「ムーンライト」

 

で、「御法度」。

 

 

これだけ言えば、充分ですね。

 

 

「戦場のメリークリスマス」も、ある意味、そういう映画でしたし、

 

「アウトレイジ」の前には、「GONIN」という映画もあったし、

 

北野ブルーフィルムには、こういう作品があってもいいのではないかと。

 

 

そういう意味で、爆笑の連続でした~

 

 

 

 

さて、映画の内容は、本能寺の変。

 

主演の明智光秀には、西島秀俊。

 

おお、監督の愛弟子であり、「ドールズ」の寡黙な役が印象的だった彼。

 

「CUT」では、黙って殴られる映画男を熱演したし、

 

ひどい目に遭いながらも、眼光の鋭さを失わない、アナーキーな役柄が映える役者ですね。

 

 

織田信長を演じるのは、加瀬亮。

 

おお、嫌味で嫌われるような役柄を演じると、リミッターを解除しまくる、イカレた演技が抜群!

 

「それでもボクはやってない」でも、こいつ、嫌な奴なんじゃないかというオーラを出しまくっていたし、

 

「ハチミツとクローバー」では、ストーカーしながらストーカーされる役を、説得力たっぷりに演技しまくり。

 

 

で、ビートたけしは、何と、秀吉を演じています。

 

秀長・大森南朋と、軍師官兵衛・浅野忠信とのトリオが、コントみたいで笑えます。

 

家康・小林薫。 利休・岸辺一徳。 したたかなワルも、いい感じ。

 

大物・小物、戦でワッショイ。 中村獅童は、「男たちの大和」とおんなじ役。

 

一番オイシイのは、木村チコちゃんではないかと… ボーッと演じてんじゃねえよっ!

 

 

アレなストーリーの核となる人物を演じるのが、ヒロイン・遠藤憲一。

 

あっはっは、これはもう、マニアックな方々には、耐え難い、至福のひとときかと。

 

 

首といえば、サム・ペキンパー監督の「ガルシアの首」。

 

あれは、戦利品の首を運ぶ映画で、だんだん腐っていくからどうしようかっていう話でした。

 

実際、大将の首を獲得したところで、それをどうやって証明するのかは、なかなか難しい。

 

「シンデレラ」のガラスの靴だって、同じような足のサイズの女全員と王子が結婚しなければならん。

 

その辺のところも、きっちり表現しているところが、キタノ映画の真骨頂と言えるでしょう。

 

 

 

どいつもこいつも、偉そうにしやがって。

 

お前ら、一皮むけば、ただのバカじゃねえか。

 

 

テメエの権力を傘に、テキトーな御託を並べやがって。

 

上からの庇護がなきゃ、ただのでくのぼうじゃねえか。

 

 

 

無能な上司に、有能な部下。

 

理不尽な命令に、堪忍袋の緒が切れる。

 

 

人は、愛したい者を愛し、憎むべき者を憎む。

 

我慢にも、忍耐にも、いつか、限界が来る。

 

バカな上司がいなくなれば、次のバカが就任する。

 

いつしか、バカがうつり、自分が権力を得た時には、立派なバカが誕生する。

 

 

バカの壁。バカの一念。バカのひとつ覚え。火事場の馬鹿力。空手バカ一代。

 

天才とバカは、紙一重。天災は。忘れた頃にやって来る。

 

イワンのバカ。バカボンのパパ。バガボンド。バカも休み休みYEAH!

 

 

というわけで、色んなバカが出てきます。

 

さあ、君は、どのタイプのバカかな?

 

 

…鳴かぬなら、鳴かせてみよう、ウスラバカ下郎!

 

 

 

 

 

映画 「ゴジラ ー1.0」 (2回目)

あまりにも面白かったので、友達ともう1回行って来ました。

 

この映画ができたてホヤホヤなうちに、魂に刻んでおきたくて。

 

 

やっぱり、いいですねえ~

 

日本人の魂というものを、精神的な神髄を、庶民的な目線で、優しく表現しているんですね。

 

 

世の中、カッコいい人間ばかりじゃない。

 

俺みたいな出来損ないもいれば、失敗をくり返して自己嫌悪になっている者もいる。

 

そういう “くすぶった心” を、見事に束ねて、大きな力を生み出している。

 

 

 

戦後まもない日本には、スーパーXも、機龍もない。

 

装備も、戦力も、武器も断薬も、ほぼない状態で、あの大きな怪獣に立ち向かえるのか?

 

しかし人類には、知恵と勇気がある。

 

それを結集することで、新たな力が生まれるのだ。

 

 

野田博士、カッコよかったッス。

 

艇長が兄貴肌で、頼もしかったッス。

 

元兵士のみなさんが、清々しくて、気持ちがよかったです。

 

 

 

成功の保証はない。むしろ、失敗する可能性の方が高い。

 

だけど、何もしないで敗れるのは嫌だ。

 

だから、やれることは全部やろうじゃねえか。

 

ようし、いっちょやったろうぜ、俺たちにしかできねえことを。

 

どこかに悔いを残したら、誰かにいつか話すことになる自分の人生が、恥ずかしいからな。

 

 

 

考えてみれば、俺の人生も、失敗と挫折の連続で、ろくなことがなかった。

 

しかしながら、自分の生き方を後悔してはいない。

 

もっとああすればよかった、とか、人は勝手に色んなことを言うけれど、

 

その状況下で、考えた上で行動した気持ちは、その人にしかわからないもんね。

 

 

 

映画というのは、優れた文化であって、

 

観客も一緒に、困難に立ち向かっているように感じられるところがいい。

 

いわゆる、疑似体験。ドキドキワクワク、臨場感たっぷり。

 

ゴジラの足音と咆哮が近づいて来る度に、立ち向かおうとする熱情が沸き起こっていくのだ。

 

 

…ちくしょう、このまま、やられっぱなしで終われるかっ。

 

 

 

男は、ダメかもしれなくても、行かねばならぬ時がある。

 

誰かがそれを、やらねばならぬ。

 

魂が燃えているなら、体が動くなら、戦い方は、必ずある。

 

 

 

幻の戦闘機に搭乗し、正面から真っ向勝負。

 

今が、地球を救う時。

 

かかってきやがれ、キングオブモンスター。

 

 

…往生、せいや!

 

 

U-NOTE Ⅲ 「気がつかないこと」

同じものを見ても、感じ方が違う。

 

同じ景色を見ても、感じ方が違う。

 

同じジャンルを愛しても、感覚が違う。

 

 

よくあることです。

 

 

 

同じ方向を見ても、景色は違う。

 

同じ空間にいても、見ている対象は、違う。

 

同じ空気を吸っていても、居心地は、まるで違う。

 

 

よくあることです。

 

 

 

聞いて欲しくて、話しているのに、さらに誤解されてしまう。

 

わかって欲しくて、説明しているのに、余計にこじれてしまう。

 

誰かを守りたくて、誠心誠意がんばっているのに、かえって、恨まれてしまう。

 

 

悲しいけれど、よくあることなんです。

 

 

 

俺は、56年間、この問いと闘ってきました。

 

今でも、まだ、納得できる領域にたどり着けていません。

 

だんだんと、思考能力も、説明能力も、衰えていってるのが、嫌でもわかります。

 

 

俺の脳が、まだ機能しているうちに、たくさんの疑問に、何かしらの道筋を…なんて思います。

 

 

俺は、映画が大好きで、映画を通して、個人的なことを、ついでに、語っています。

 

このスタイルになるまで、時間がかかりましたが、

 

色んなことを言われ続けても、ゆずれない領域が、心の奥底にあることを、自覚しております。

 

 

虐待を受け続け、逃げるように上京して、夢の入り口にも立てず、信じたものに裏切られ、騙されて、

 

流れ流れて、嫌なものから逃げて、心を病んで病んで病みまくって、

 

それでも、やめられなかったのが、映画の世界。

 

 

映画を見る時の俺は、この上なく、素直なんです。

 

だから、映画を見た時に、色んなことを、ナチュラルに吸い込む。

 

それを、心の中で反芻して、自分の中で消化できなかったものが、ようやく、動き出す…って感じ。

 

 

 

だから、俺が、映画を題材として、というか、ネタにして、自論を語るのは、そういうことなんです。

 

誰も読んでなくても、誰の心にも届かなくても、俺が、吐き出さずにはいられない。

 

 

こんなブログは、病んでるおっさんが書く文章は、無視されてしかるべき。

 

俺が死んだら、自動的にこのブログは消滅しますので、生きている間の悪あがきだと思って、

 

数少ない読者の皆様に見守られながら、もうしばらく、続ける所存でございます。

 

 

 

気がつく人と、気がつかない人がいる。

 

気がつかないのは、悪いことじゃない。

 

それは、しょうがない。それを、いくら責めても、無意味というもの。

 

だけど、あの時、気づいてあげられたら、何かが変わったかもしれない…という人もいます。

 

気づいてしまったために、苦しんでいる人がいれば、

 

気づかなくて、問題なく過ごしている人もいます。

 

 

気づいて、感じて、苦しんで…

 

そういう人たちの、真心が、いつか、誰かを救うことを、俺は望みます。

 

 

 

俺は、映画評論家ではなので、文章は素人です。

 

だけど、不思議と、映画を見て、ブログを書くと、精神が安定するんですよね。

 

それが、俺の精神治療にもなったし、理解者にも恵まれたので、

 

俺の生命維持装置として、このブログの役割は大きいんですね。

 

 

だから、読んで下さっている皆様は、俺の命をつないでくれる、恩人です。

 

 

 

ありがとう。

 

桑畑は、明日も早朝から、仕事に行きます。

映画 「正欲」

湧いてくるものは、しょうがない。 …それをどう制御するかが問題である。

 

 

なるほど、面白い題材だと思う。

 

本作は、フェチティズムをテーマとした内容です。

 

原作は、朝井リョウの同名小説。

 

監督・編集は、岸善幸。

 

 

物語の舞台は、現代。

 

主人公の女性は、生きにくさを感じている、独身女性。

 

家でも職場でも、居心地のいい場所ではない。

 

絶えず誰かから、“圧”をかけられていて、心がくすぶっているような状態。

 

 

彼女には、忘れられない男がいた。

 

もともと不器用な二人は、一度は疎遠になりながらも、しばらく経って、再会。

 

お互いの心の領域を探るように、近づいていく…

 

 

一方、人気ダンサーとして注目を集める男性は、誰にも言えない秘密があった。

 

彼を追いかける女性にもまた、誰にも言えない秘密があり…

 

 

さらに、検事を職業とするおっさんも登場。

 

小学生の息子がいる彼は、家庭内がうまくいかずに悩んでいた。

 

ある日、息子から、理解できない主張を聞くことになる…

 

 

こう言うと、複雑な群像劇のようですが、見てみれば、いたってシンプル。

 

マイノリティ(少数派)と言われる、独特の感覚を、深いところで疑似体験できる映画です。

 

 

どこまでが正常で、どこからが異常なのか。

 

その境界線を考えながら、お楽しみ下さい。

 

 

 

主演は、新垣結衣。 あらがう女を、のびやかに演じています。

 

彼女のお相手は、磯村勇人。 “水に魅せられた男”を演じます。

 

孤独なダンサーは、佐藤寛太。追いかける女は、東野綾香。

 

検事のおっさんを、稲垣吾郎が演じています。

 

ベテラン共演陣は、山本浩司、宇野祥平、徳永えり。

 

 

 

人間は、水でできています。

 

だから、水フェチなるものがあっても、不思議ではない。

 

ブルース・リーは、映画の中で、人間は水だ、と言ってましたし。

 

第一、人間は、水なしでは生きられない。

 

ゴロちゃん検事も、水を飲むシーンがあるし、風呂だって入る。

 

 

しかしながら、水で興奮する、と言うと、意味合いが違ってくるのだろうか。

 

俺としては、周りに迷惑をかけない、人畜無害な趣味嗜好ではないかと思う。

 

でも、世の中には、それを理解できずに否定しまくる人たちがいるから、面倒くさい。

 

 

映画の中で注目して欲しいのは、水がどういう状態にある時に興奮するかということ。

 

その辺の描写がかなりすごいので、どうかお見逃しなく。

 

 

 

同じものを見ても、感じ方が違う。

 

微笑ましい映像が、人によっては、嫌悪感の対象になる。

 

人と違う特性は、その人に備わっている個性であり、才能の種である。

 

個性が強過ぎて、社会の迷惑や恐怖の対象になってしまうと、途端に抹殺される。

 

出る杭は打たれる。異質な者は排除される。みんな同じでないと、安心できない。

 

 

自分が安定していると、今度は調子に乗って、他者を見下すようになる。

 

日陰で大人しくしている者を、無理矢理自分たちの輪に入れようとする。

 

で、拒否されると、せっかくの好意を、と憤慨する。

 

相手をよく知らないで、自分たちの感覚だけが正しいと思って、無邪気に巻き込む。

 

 

ああ、きもちわるい。

 

 

俺は、飲み屋で知らない人とよく話すけど、自分の立ち位置を時々確認します。

 

意気投合すれば問題ないけど、中には、ひとりで静かに飲みたい人だっている。

 

その気分を壊されたら嫌だろうし、特定の人とだけ話したい人もいるから。

 

だから、最初からマニュアルがあるみたいな話しかけは、ご法度でしょう。

 

こう言ってみて、こう返してきたら、ほうほう、この人はどんな心を持っているのだろう、と。

 

考えながら、工夫して付き合うから、人間関係は奥深いのだ。

 

 

家族だから、友達だから、職場仲間だから、こうしてくれて当然だろう的な、暗黙の了解。

 

そういう風習にうまく溶け込めるかどうかで、生き方が左右されちゃう。

 

昔も今も、つまんないことで、多くの人が、無意識に誰かを傷つけてしまう…ちくしょう!

 

(同調圧力って、いい表現ですね)

 

 

俺なんか、生まれてから居心地のいい場所なんか、ほとんど経験してこなかったから、

 

幼少の頃から、周りの人たちが幸せそうに見えて、自分が悲しかった。

 

かといって、誰かを恨んだり妬んだり、ってふうには考えなかった。ただ、うらやましいだけ。

 

 

でも、そいつらが、無理矢理自分たちの世界にひきずりこもうとしてくると、心が拒否してしまう。

 

それを我慢し続けた結果、発病してしまったんですね。

 

この世の地獄、つまり生き地獄を経験すると、生き方のスタイルが変わらざるを得ない。

 

同じ失敗をくり返さないように、行動パターンを修正していくのだ。

 

 

ガッキーは、自分が嫌になりながらも、自分から逃れられない。

 

そして、えらいのは、ちゃんと食事をしているということ。

 

食欲があって、胃腸が健全なのは、生命力があるということ。

 

ひとりで回転ずしを食べている彼女が、なんだかとてもかわいらしかった。

 

 

俺は個人的に、無趣味な人よりも、何か好きなものがある人を好みます。

 

対象は何でもいいけれど、それをやっている時に、心が燃えていればいい。

 

生きがいというのは、仕事や子育てだけじゃないし、

 

自分という骨格を形成する、重要な心臓部だから。

 

俺の場合は、映画であり、音楽であり、読書であり、酒であり、格闘技であり、飲み屋通い。

 

それぞれに、仲間との出会いや別れがあり、対象が絶えず変化するのが楽しい。

 

 

この映画に登場する人たちも、考え方をほんの少し工夫するだけで、

 

全く知らなかった “領域” を獲得することが可能になっていくんですね。

 

自分の心に蓋をし続けると、いつかどこかで、爆発してしまう恐れがあるから。

 

最悪の事態を避けるためにも、暴走が止まらなくなるのを防ぐためにも、

 

ちょっとした修正が効くように、自分を制御する努力が必要なんじゃないかと。

 

それさえちゃんとすれば、より楽しく、自分の世界を味わい続けられるんじゃないかと。

 

 

理解してもらいたいけど、理解してもらえないなら、

 

理解してもらえるための努力を、怠ってはならないのです。

 

それが、大人の考え方ってもんじゃないかと。

 

 

何が自分にとって大事で、何が自分の生命を阻害しているのか。

 

曇った窓を磨いて、目を見開いて、本当に自分が感じていることを、確かめましょう。

 

そういう意味で、東野綾香の熱烈な言葉が、胸にしみました。

 

彼女は、この後の人生で、きっと幸せをつかむんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

言いたくても、言えない言葉がある。

 

言ったら、何もかもが崩壊してしまうかもしれない。

 

でも、言わずにいられない。

 

このまま、我慢し続けて、不健康な時間を生きるより、

 

何もかもぶちまけて、ぶっ壊してしまいたい衝動がやってくる。

 

 

望んだ何かを手に入れたら、その代償として、何かを失う。

 

壊れたら、また作り直して築き上げる。

 

またそれを自ら壊して、またやり直す。

 

俺はもう、そんなことを11回もやりました。

 

そのことに、後悔はありません。

 

自業自得の余生ですが、残りの時間を、自分らしく生き抜こうと思います。

 

 

 

正欲・性欲・性浴・征服欲・海水浴。

 

邪欲・性癖・嗜好・変態・浴場・欲情。

 

私欲・食欲・沐浴・黙食・シケモク・承認欲求。

 

私利私欲・支離滅裂・成否・正論・正義・青天の霹靂。

 

 

そう感じること自体は、決して間違いじゃない。

 

それを、どう “出力” するかを、一工夫すればOK。

 

 

感じることが、心を成長させる第一歩。

 

そこから考えて、意志が生まれ、行動に移せる。

 

リアルでもSNSでも、自分を表現することで、生きるための “武器” を獲得していくのだ。

 

自分と戦ったからこそ、他者とも戦うことができる。

 

思い悩んでいる者は、その状況に耐えているだけで、充分、エラいのだ。

 

 

 

 

少年老い易く、学成り難し。

 

命短し、恋せよ乙女。

 

 

…若者のみなさん、青春をしっかり浴びましょう!

 

 

モネとセブンとハッピーナッチョイ

水曜日の休みを利用して、久しぶりに東京に行って来ました。

 

何しろ、連休がない仕事なもんで、日曜よりは、水曜がいいかと。

 

 

 

今回の目玉は、上野美術館で開催されている「モネ」展。

 

何といっても、100%モネの作品というのが、嬉しい。

 

フェルメールの時は6枚だったけど、こっちの方がすごい。

 

まさに、“モネ圧”で、魂を撃ち抜かれた感じです。

 

 

色彩が、素晴らしい。

 

近くで見るよりも、少し離れて見る方が、すごくきれいに見える。

 

俺は、見始めて早々に、老眼鏡を外しました。

 

何だか、景色の中に、自分が吸い込まれそうになっちゃう。

 

 

「睡蓮」はもちろん、「薔薇の中の家」が美しいこと!

 

「積みわら」が、かわいい。

 

そして、「昼食」「グルテ・ファン・ド・シュタート嬢の肖像」は、人物画。

 

「桃の入った瓶」は、最初は梅かと思ったけど、よく見れば、桃ですわ~

 

梅酒じゃなくて、桃のシロップの香りが漂うような、お見事な癒し効果。

 

 

彼の風景画は、実に抒情的で、夕焼けやら、雨やら、波しぶきやら、雪深さやら…

 

まさに、絶品です。

 

水面のゆらめきが、音や風が、匂いまで漂ってきそうな、静かな説得力。

 

 

旅先の景色が、日常の情景が、味わい深く、詩情のさざ波となって、心に沁み込む。

 

素敵な時間と空間を、ありがとうございました。

 

 

 

 

さて、今回は、強行日帰りでは、さすがに疲れるので、火曜の仕事を3時で早退し、

 

夕方の新幹線で、上野のビジネスホテルに一泊。

 

東京で働いている小学校の同級生と、久しぶりに会って、アメ横で深夜まで飲みました。

 

コンビニで買い物して、部屋に戻ってから、延々とTVつけて缶ビール飲みまくって、

 

東京12チャンネルと、TOKYOMXを交互に見ていて、いつの間にか、ぐうぐう。

 

 

そうしたら、朝5時頃、変てこな歌声で、目を覚ましたんです。

 

どうやら、こどもが聴く童謡みたいな、健全なアニメをバックに、歌が流れている様子。

 

すぐに終わるのかと思ったら、これが、結構長い。

 

2番らしきところにさしかかった時点で、目をこすって起き上がると、

 

元気な男の子が、『…ハッピーナッチョイ!』

 

 

ふむふむ、少年が、相棒のキツネと一緒に、旅をしている内容らしい。

 

その、独特の歌声を聴きながら、俺はいつしか、タテノリで一緒に歌ってました。

 

いいじゃん、ハッピーナッチョイ!

 

 

番組表に切り替えてみると、おっ、9時半にまた放映がある。

 

よし、これをもう1回見てから、チェックアウトだ!

 

また二度寝して、週末婚の再放送やら、韓流時代劇やらを越えて、

 

9時25分には、身支度を整えて、もう1回視聴。

 

放映直後に、ダッシュでチェックアウト。

 

そのまま、上野美術館まで、元気に歩いたのでした。

 

 

天気がよくて、ハッピーナッチョイ!

 

モネの美しさに見とれて、ハッピーナッチョイ!

 

東京の街を歩くのは、楽しいぜ。

 

 

池袋に移動して、駅前の服部珈琲店で、定番のビーフカレーを食ってチャージ。

 

体が熱くなったので、上着を脱いで、Tシャツでサンライズワールドへ。

 

その後、原宿の太田記念美術館で、葛飾応為の肉筆浮世絵を鑑賞。

 

表参道のドーナツ屋で、人が30人くらい並んでて、半分以上が外国人だったみたい。

 

みんな、Tシャツ短パンで、首やら腕やら脚やらにすげえタトゥ。

 

布を被ったインド風のおねえさんやら、ゴスロリやら魔法少女やら…

 

みんな楽しそうで、ハッピーナッチョイ!

 

 

で、最後の行先は、六本木の東京ミッドタウン。

 

ウルトラセブンの写真展をやっていたんですね。

 

プロのカメラマンが撮っただけあって、カッコいいパネルがズラリ。

 

セブンのフィギュアの脇には、使用したカメラが飾ってあって、

 

男の子が近づくと、お父さんが『…さわっちゃダメだよ。』 微笑ましいですねえ。

 

プロジェクターでは、セブンの予告編みたいなショート映像が流れていました。

 

狙われた街、第四惑星の悪夢、地底GOGOGO、ウルトラ警備隊西へ、

 

勇気ある戦い、マックス号応答せよ、おお、名作の数々。

 

年配夫婦がいたんですが、途中から奥様がどこかへ行ったらしく、

 

俺と、そのダンナさんがずっと一緒に、その映像に見とれておりました。

 

 

…いいねえ。

 

…いいですねえ。

 

…懐かしいなあ。

 

…懐かしいですねえ。

 

…こいつが、強ええんだ。

 

…強かったですねえ。

 

 

ある程度見てから、ほぼ二人同時に、売店コーナーへ。

 

彼が真っ先にクリアファイルを買って、

 

俺は、クリアファイルとカレンダーを買いました。

 

そして、袋をぶらさげたまた、またしばらく映像を見る俺ら…あはは。

 

 

やっぱり、セブンは偉大です。

 

セブンに会えて、ハッピーナッチョイ!

 

 

 

だんだん日が傾いてきたので、東京駅へ向かう。

 

都営大江戸線で、東京駅に着いたけど、まだ早いなあ。

 

隣りの有楽町駅まで行って、周辺をぶらぶら歩く。

 

昔、東芝で働いていた頃は、JRの定期券で、新橋まで乗れたもんなあ。

 

有楽町マリオンのあたりから、開けた道路を歩くと、感慨深い。

 

ここって、昭和ゴジラがのしのし歩いたところだよなあ…なんて。

 

俺、どうしても、東京に行く前に、ゴジラ見たかったんだよねえ。

 

 

よし、これでOK。

 

後は、東京でみんなにお土産買って、新幹線へ。

 

お金があんまりないので、東京駅では夕食にしませんでした。

 

だって、どこで食っても高いし、座ればビール飲みたくなっちゃうもんね。

 

 

それで、新幹線のホームに降り立った時に、キヨスクで、缶ビールとおにぎりを買いました。

 

せっかくだから、プレミアムモルツと、ねぎとろおにぎり。

 

座席で食うと、他のお客に迷惑かなあ、なんて思ったんですが、

 

発車間際に載って来た、スレンダーなおねえさんが、1つ開けた隣りに座る。

 

(ちなみに俺が窓側、彼女は通路側)

 

彼女、おもむろに弁当を開けて、豪快に食い始めました。

 

なあんだ、これなら俺も、ちーかまくらい買っとけばよかったなあ。

 

 

しかし、この女、食いっぷりがいいなあ。はくぱく、もぐもぐ。

 

しかし、うまそうに食うなあ。いちいち見ていないけど、横にいるから、よくわかる。

 

そうかこいつ、駅弁のプロだな! いいじゃん、ハッピーナッチョイ!

 

 

ようし、次は俺も、ゴージャスな弁当買って、豪快に食ってやる!

 

そう誓った俺は、残りのビールをチビチビやりながら、車窓の景色を眺めたのでした。

 

 

 

 

最後に東京に行ったのが、たしか「永井豪」展。4年前くらいだったかな。

 

その時に会って話したネットの友人は、すでにこの世にいませんが、

 

俺は、俺らしく行動することで、奴の供養にもなるかと。

 

 

携帯の万歩計を見てみたら、水曜1日で、2万5千歩以上歩いてました。

 

すげえ、いつものウォーキングコースの3倍以上を、一日で歩いたことになります。

 

 

 

翌日は、筋肉痛でしたが、ちゃんと仕事に行きました。

 

お土産は、家族と職場と、行きつけのお店(今回は2軒)。

 

みんな喜んでくれて、ハッピーナッチョイ!

 

 

 

友達と飲んで握手して、おいしいカレーを食って、

 

初老のおっさんとセブン見て、幻想の水面を、モネモネ歩いて、

 

弁当レディとは話してないけど、元気もらえてハッピーナッチョイ。

 

 

ぼくのりょうてはだれかとつながって~

 

ハッピー!(ハッピー)、ナッチョイ!(ナッチョイ)、ハッピー~ナッチョイ!

 

 

 

映画 「ゴジラ ー1.0」

どすん、どすん、ガオーッ! …お帰り、ゴジラ!

 

 

映画館のスクリーンに、ゴジラが登場するだけで、俺は、少年のようにワクワク。

 

公開日は残業だったので、昨日、仕事帰りにダッシュで行って参りました。

 

 

感無量です~ ゴジラ、強え、カッコええ!

 

足音と咆哮が、低周波治療で、気持ちええ。

 

主演はゴジラ。人間。以上。

 

少年たちよ、存分にゴジラの勇姿を目に焼きつけるべし。

 

 

そして、大人のみなさんは、各々の視点で、この映画を楽しんで下さい。

 

「シン・ゴジラ」は、現代の日本にゴジラが現れたら、というシミュレーションでしたが、

 

本作は、あくまでも、当時の日本の状況で、何ができるかを考えるスタイル。

 

 

さあ、知恵と勇気と力を合わせて、僕らの日本を守り抜こう!

 

 

 

 

山崎貴監督は、「続・三丁目の夕日」の冒頭2分で、ゴジラを蘇らせていて、

 

アトラクションも入れると、本作で3度目の映像化、ということになるのかと。

 

 

 

物語は、終戦の2年前からスタート。

 

戦闘機の整備工場を突然襲った謎の怪物は、部隊を全滅させてしまう。

 

やがて終戦を迎え、復興が始まった日本に、再び “奴” が現れる…

 

 

 

主演は、神木隆之介。役どころは、生き残ったパイロット。

 

ヒロインは、浜辺美波。おやおや、この組み合わせは、NHKの朝ドラ?

 

いえいえ、本作の撮影は、朝ドラより前だったらしく、

 

考えてみれば、「屍人荘の殺人」でも、共演してましたな。

 

とにかく、息がピッタリのお二人でございます。

 

 

整備士を演じるのが、青木祟高。「ちりとてちん」の草々くんですな。

 

近所のおばちゃん役に、安藤サクラ。割烹着がバッチリよく似合う!

 

“博士”役は、吉岡秀隆。 “船長”役は、佐々木蔵之介。 道化役に、山田裕貴。

 

う~む、素晴らしいキャスティングですね。シンプルで、役割がわかりやすい。

 

 

 

これは、王道の怪獣映画、と言っていいでしょう。

 

歴代のゴジラに対してのオマージュが、隅々に感じられて、目頭が熱くなっちゃう。

 

音楽に、あの曲が使われたことや、戦闘場面など、アメリカに対しての敬意も垣間見え、

 

そして何より、日本人の魂を美しさを感じられる、深い人間ドラマが秀逸。

 

 

 

 

「永遠の0」で、三浦春馬が激昂する。 特攻と、テロは違う!と。

 

「ザ・コクピット」で、桜花が特攻した時に、アメリカ兵が、日本人はクレイジーだと言った。

 

 

誰だって、死ぬのは怖い。

 

だけど、愛する者を守るために、命をかけて戦わねばならぬ時がある。

 

 

メンタルが弱い主人公と、芯が強いヒロイン。

 

しかし、彼は、自分の気持ちに正直であり、真剣に向き合っている。

 

己の弱さを知っているからこそ、その事実から目を背けずに、じっと耐えている。

 

その費やした時間は、次第に、戦う男の顔を形成していく。

 

 

そして、誰かの役に立てた時に、ここまでがんばって生きてきてよかった、と言えるのだ。

 

 

 

Gと言えば、ゴジラ、ガンダム、ゴルゴ13.

 

俺はこれを、日本の3Gとしております。(ちなみに本作は、G指定)

 

よみがえれ~ ゴジラ~♪

 

照準合わせ、怪光線バァーッ!

 

ガブッと噛みつき、パクっとくわえてポイ!

 

どしんどしん、どけどけ、ゴジラ様のお通りでえ!

 

デレレ、デレレ、デレレのデレデレレ、お出かけですか~?

 

 

日本の最終兵器であり、地球上最強生物。

 

その名は、ゴジラ。ガッズィーラ。

 

 

…大地を踏みしめ、しっかり生きよ!