映画熱 -3ページ目

映画 「夜明けのすべて」

タイ焼きを食いながら、星空を眺めたくなりました。

 

 

今年5本目にして、すごくいい作品に出会いました。

 

これはきっと、瀬尾まいこの原作小説が素晴らしいんですね。

 

監督は、「ケイコ 目を澄ませて」で俺の心をガッチリとらえた三宅唱。

 

画面から漂ってくる、心地よい優しさに、浸りまくりました。

 

 

 

主人公の女性は、普段は周囲に気配りができる、誠実な仕事ぶりなんですが、

 

時折り、イライラが高ぶってしまって抑えきれなくなる自分に苦悩しています。

 

実は彼女は、PMS(月経前症候群)と診断されていたのでした。

 

 

彼女の後輩にあたる青年は、人付き合いを避けるような性格のようで、

 

その冷徹にも見える行動に、彼女のイライラは増幅されていくのでした。

 

 

ある日、彼のある行動に、彼女はブチ切れてしまいます。

 

そしてさらに、彼もまた、パニック障害という苦悩を抱えていたことを理解するのでした。

 

 

 

 

 

主演は、上白石萌音。新海監督作品で、声だけは聴いていました。

 

彼女を映画館のスクリーンで見るのは、これが初めてかも。

 

何というか、呼吸というか、息づかいというものが、すうっと伝わってくるんです。

 

まるで、体温を感じさせるような、絶妙な表現力が備わっているかのようでした。

 

 

1つだけ紹介させてもらうと、後ろ姿で腕をきゅっとする場面。

 

ほんの一瞬でしたが、彼女の前で何が起きたかを見事に伝えていましたねえ。

 

この、画面から消える間際のすうっとした動きは、

 

「七人の侍」の志村喬のアレを思い出しました。お見事です!

 

 

 

一方、彼女の後輩を演じる松村北斗もまた、映画館で初かと。

 

(たしか彼も、新海作品で、声だけは聴いていました)

 

うわあ、イケメンですねえ~ 男から見ても、カッコええですわ~

 

その容姿を存分に生かして、うまいこと演じてましたわ~

 

イケメンは、何をやってもイケメンなんだよなあ…まあ、憎らしかニコラシカ。

 

 

しかしながら、上白石萌音との組み合わせが、すごくいいんですね。

 

化学反応と言うべきか、相乗効果と言うべきか、

 

彼らが動き出すと、空気も動き出すというか、命の循環を感じるのです。

 

 

萌音ちゃんが、冒頭からずっと痛々しくて、見ているこっちが辛くなってしまう。

 

普段、きちんと気遣いができて優しい人柄だけに、イライラした時の反動が大きい。

 

物事が順調にいっている時は、かわいいガッツポーズ。

 

しかし、バランスが崩れた時が、ボロボロで…気の毒になってしまいます。

 

 

彼女は、松村君にも、“余計な”お世話を焼いてしまって、それが仇になって…

 

ああ、ちくしょう。お前は何で、彼女の好意を邪険にしてしまうんだよ。

 

でも、それもまた、感じ取れるかどうかの、感受性の問題だからなあ…

 

 

 

彼らを、あたたかく支えるのが、共演しているベテラン勢。

 

光石研を筆頭に、りょう、渋川清彦、内田慈といった、豪華キャスト。

 

いいなあ、俺も光石社長のもとで働いて、内田先生に診てもらいたい!

 

 

 

 

 

 

俺自身、うつに苦しんだ時間が20年以上になりますが、

 

人によって症状や個人差があるので、精神障害、とひとくくりにできない問題があるんですね。

 

軽症か重症か、障害なのか症候群なのか、年齢、性別、病歴や環境など、

 

限りない“マウント取り”や、不幸自慢があって、嫉妬や憎悪、弱い者いじめを経験しました。

 

 

小さな親切、大きなお世話という言葉がありますが、

 

何気なく言った言葉が、相手を深く傷つけることもあるし、

 

無意識にやってしまったことが、場を和ませることになったりもします。

 

映画にも、そういう絶妙な状況がたくさん出てきますので、よく見て欲しいです。

 

 

きっと、人によって、“ささる場面”が、色々あるんじゃないかな。

 

 

 

 

この物語の優れたところは、安易に恋愛の領域に踏み込まないこと。

 

どうせ、こうなるんだろ、的な予測は、いったん置いといて。

 

自分の精神がどうあろうと、相手の気持ちが傷ついても傷つかなくても、

 

ちゃんと社会は回っているし、地球は動いています。

 

自分の代わりはいくらでもいるし、この仕事をする人は、自分でなくてもいい。

 

 

でもね、映画の後半で、主人公も観客も、気がつくんです。

 

今、この時に、これを、自分がやることに、意味があるんじゃないか。

 

今、この時に、目の前にいる人と、一緒にがんばることに、意義があるんじゃないか、と。

 

 

 

 

 

生きていると、色んなことがあります。

 

信じて、裏切られ、ひどい目に遭わされ、卑怯な奴に高笑いされ、罵倒され、

 

病気をして、怪我の痛みに耐えて、歩けなくなって、リハビリして、また立ち上がって…

 

 

ホント、俺なんか、よく今日まで、のうのうと図太く生きてきたもんだと思います。

 

色んな人に嫌われて憎まれて馬鹿にされて侮辱されて、こんなオヤジになってしまいました。

 

しかしながら、こういう自分も悪くない、と、最近では思うんですよ。

 

俺みたいなバカな人生生きている奴も、そうそういないんじゃないか、と。

 

 

 

今俺は、うつを抱えながらも、HSPの後輩と一緒に、質の高い、いい仕事をしています。

 

二人とも社会不適応者ですが、誠実に、がんばっております。

 

 

 

 

映画に出てくる、町工場が、アットホームでよろしい。

 

社員が病気であろうが体調不良であろうが、仕事は回さないといけない。

 

地球は、人間の都合に関係なく、今日も、回っている。

 

というか、回り続けてくれている、と言う方が正しいのかも。

 

 

劇中の言葉で、はっと思わせるものがありました。

 

それは、映画のタイトルの意味に、つながってくるんですね。

 

 

 

闇があるから、光がある。

 

健康があるから、病気がある。

 

生まれた以上は、死ぬ時が来る。

 

その日までは、生きねばならぬ。

 

どうせ生きるなら、気持ちよく生きたい。

 

傷ついた者は、穏やかに。

 

疲れ切った者は、静かに。

 

不安に押しつぶされそうな者には、安心できるように。

 

 

 

ひとりもいいけど、たまにはふたり。

 

1つの脳よりも、2つの脳で考える方が、面白い。

 

2つの心が、うまく溶け合うと、新しい宇宙が生まれる。

 

それは、今までにない、新しい輝きを放って、誰かの闇を照らす光となる。

 

 

 

病んだ分だけ、エネルギーがたまる。

 

感情は、行動するための、推進力になる。

 

迷った時は、心の声に従え。

 

いつかきっと、自分にふさわしい世界を見つけることができたら、それでいい。

 

 

 

…闇に病み、光に惹かれて、心は、宇宙を旅していく。

 

 

 

映画 「ゴールデンカムイ」

過酷な状況で生き残った者は皆、不死身の超人である。

 

 

公開から出遅れましたが、ようやく見に行けました。

 

原作は読んでいないけど、アニメは途中まで見ていたので、

 

見ごたえ充分。がっつり楽しめました。

 

 

原作は、ヤングジャンプに連載されていた、野田サトルの同名マンガ。

 

8年続いた大長編で、31巻で終了。(アニメは第4シリーズまで)

 

 

物語は有名なので、俺がいちいち言わんでもいいと思いますが、一応、簡潔に。

 

二百三高地の戦いで生き残った兵士が、北海道で莫大な金塊をめぐってバトル。

 

主人公の杉元は、アイヌの女と出会い、協力し合う関係になっちゃう。

 

コワモテの軍人や、奇怪な指揮官、伝説の剣豪など入り乱れて、もう大変!

 

 

 

主演は、山崎賢人。彼を劇場のスクリーンで見るのはたぶん、これが初めて。

 

「キングダム」とか見ていないので、先入観がなくて幸いしたかも。

 

さすがに“不死身感”はあまり感じないけど、気合で生き残ってきたんでしょう。

 

ナイーブな部分がないと、観客にあまり心配してもらえないしね。

 

ただ、怪我の治りが早い、というのは、素晴らしい才能だと思います。

 

 

アイヌの女、アシㇼパを演じるのは、山田杏奈。

 

一応、少女という設定なんですが、立派に大人の女性に見えます。

 

身のこなしが重そうで、足も速くなさそうですが、強力なボディガードがいます。

 

肌も白いので、きっと、アイヌの日焼け止めを愛用しているに違いない。

 

ブルーの瞳はデリケートだと思うので、サングラスがあった方がいいかも。

 

 

色んな俳優が出ていますが、みなさん、楽しそうです。

 

舘ひろし、玉木宏、矢本悠馬、マキタスポーツ、眞栄田郷敦、井浦新…いやあ、すごいすごい。

 

特に勝矢は、「罪と悪」で見たばっかりなので、ビジュアルでヤラレました。

 

俺が気に入った出演者は、熊と狼。見せ場がタップリなので、どうぞお見逃しなく。

 

 

 

 

 

 

人間、生きていると、色んなことがあります。

 

俺は少なくとも、今までに“退屈”というものを感じたことがないので、

 

毎日が修羅場であり、分刻み、秒刻みで、過酷な戦いを続けています。

 

何度も何度も、これで人生終わった、と覚悟しましたが、どういうわけか、生きている。

 

あんなに何度も大怪我をしたのに、ちゃんと歩いている。(後遺症はあるけど)

 

長い間、重いうつ症状に苦しめられたけど、今では薬なしで生活できている。

 

多くのブラック企業を渡り歩いて、侮辱され屈辱をたくさん味わったけど、

 

今の職場では、戦力として役に立っている。

 

 

 

アシㇼパが、杉元が何故不死身なのかを語る場面がある。

 

鋼のような肉体はもちろんだけど、精神的な強さがあることを、彼女は知っている。

 

杉元本人は、自分のことをはなから“不死身”だとは思っていないのかもしれない。

 

ただ、今まで、無我夢中で切り抜けてきた。

 

その結果、こうして生きている自分がいる。

 

 

そうなのだ。

 

今日まで生きてこられたのは、紛れもない奇跡なのだ。

 

 

そう思うと、命が生きながらえることの困難さが実感できるというもの。

 

 

 

誰かを助け、誰かに助けられて、今の自分が生きていられる。

 

そのことに感謝して、カムイに感謝して、背後の御霊に感謝して、

 

今日の糧を、味わいましょう。

 

お互いの労苦を、ねぎらいましょう。

 

今日もよく、がんばりました。

 

天の恵みをいただいて、神の酒で祝杯をあげましょう。

 

 

 

生きていられること。

 

誰かを、信頼できること。

 

 

…それこそが、黄金に匹敵する、心のたからもの。

 

 

 

(エンドロール終了後にも、物語が続きますので、最後までご覧下さい)

 

 

 

映画 「罪と悪」

よく、話してくれた。

 

 

今年の3本目は、高良健吾主演の、男度が高そうな映画を選びました。

 

地震の被害で段差が痛々しい新潟バイパスを通って、ユナイテッドシネマへ。

 

 

 

監督は、齋藤勇起。オリジナル脚本で、堂々のデビュー。

 

出演は、高良健吾、石田卓也、大東俊介の3人が、主要キャスト。

 

同世代だから、同級生役としても、まず無理はない。

 

ベテラン共演陣は、椎名桔平、村上淳、佐藤浩市。すげえ豪華!

 

皆さん、齋藤監督だからこそ、集まってくれたんでしょうね。

 

 

 

舞台は、福井県の、小さな街。

 

冒頭、しばらくの間、中学生の少年たちの物語が続きます。

 

サッカー部で友達になった4人。

 

それぞれに、長所と短所があり、家庭の事情があり、役割があり…

 

ある日、そんな彼らに、忌まわしい出来事が起こる。

 

親友の死をきっかけに、それぞれの思いが暴走して、殺人事件になってしまう。

 

 

それから年月が経ち、彼らは大人になり、それぞれの生活を営む。

 

しかし、あの日の出来事は、いつまでも、心に深い傷となって残るのであった…

 

 

 

高良健吾は、建設業を営み、ワケありの若者を雇って、更生させている実業家。

 

骨格が美しい。眼光が鋭い。そして、色気がある。素晴らしい!

 

ヤクザの村上淳と向き合っても、一歩も引かない、堂々とした男に成長しています。

 

石田卓也は、父親と同じ警察官の道に進み、刑事としての人生を生きている。

 

大東俊介は、父親の稼業を継ぎ、農業を営んでいる。

 

 

ある事件が起き、彼らは、戦慄する。

 

これって、あの時と同じなんじゃないか…?

 

 

 

 

高良健吾は、「軽蔑」「ノルウェイの森」で、名前を覚えました。

 

「蛇にピアス」「横道世之介」「南極料理人」は、コミカルで面白かったけど、

 

俺的には、シリアスで寡黙な役柄の方が、カッコいいと思います。

 

芥川龍之介や、三島由紀夫を演じた時の、文豪の雰囲気もよかったなあ。

 

 

石田卓也は、「夜のピクニック」で初めて見た俳優。

 

大東俊介は、TVドラマ「雲切仁左衛門」「光る君へ」で、最近覚えたばかり。

 

二人とも、「リアル鬼ごっこ」で共演していましたよね。

 

あの映画で共演した谷村美月は、「お兄ちゃんの花火」で、高良君の妹でした。

 

 

石田君は本作でも、容疑者を追いかけて、走る走る走る!

 

彼はもともと陸上の選手だったらしく、走り方が若々しい。

 

「太陽にほえろ!」じゃないんだから、こんなに長回しせんでも笑

 

でもね、佐藤浩市さん世代にはウケるんじゃないかなあ、って。

 

 

 

で、椎名桔平は、警察のワル。うん、すっげえわかりやすい。

 

悪そうですねえ~ ヤクザの村上淳と同様、楽しそうである。

 

ここに、ワンシーンだけ、佐藤浩市が登場するんですねえ。

 

おお、大物感たっぷりで、余裕の風格。

 

「春に散る」の時もそうだったけど、役柄を楽しんでいる姿が、心地いい。

 

おっ そういえば、高良君の役名はハル、でしたな。(字は忘れたけど)

 

 

どうでもいい話ですが、勝矢!

 

くそう、うまそうにバーガー食いやがって。

 

映画を見た後に、マック行っちゃったじゃねえか、どうしてくれる!

 

(俺は、ピクルス大好きだから、君のジョークにはツッコみ入れるぜ)

 

 

とにかく、シリアスな映画だからこそ、ちょっとした場面で、笑えるんですね。

 

(俺、伝票とジッポライターで噴き出しちゃいました)

 

 

 

 

 

思春期ってのは、色々あるもんです。

 

才能が開花する時期でもあるけど、一歩間違えば、犯罪をしでかす危険性を秘めている。

 

そこが、怖いんですね。

 

 

この映画は、PG12ですが、希望する小学生には見せてあげて欲しいと思います。

 

俺も、小中学生の頃に、おぞましい葛藤に苦しめられた人間の一人なので。

 

 

子供は黙ってろ、と言う奴は、

 

子供が大人になっても、絶対、同じことを言う。

 

ガキは引っ込んでろ、って。

 

だから、どこかで、戦わなければならなくなる。

 

 

「七人の侍」で、こんな台詞があります。

 

『…子供はよく働くぞ。ちゃんと大人扱いしてあげればな。』

 

勝四郎は、泣きながら、大人のサムライになっていくんですね。

 

 

「孤狼の血レベル2」の松坂桃李と同様に、石田君の役柄を、俺は愛したい。

 

血気盛んな若者たちよ、この映画に学ぶべし。

 

 

 

 

 

俺は、生まれたこと自体が、親不孝でした。

 

 

自分が生まれた素性を呪い、諸悪の根源を排除したい衝動にかられ、

 

何度も何度も本気で、祖父を、父親を、兄を殺そうと思いました。

 

夜中に金属バットを握って、奴らの寝床を襲おうと試みたもんです。

 

でも… できなかった。 そして、高校を卒業して、逃げるように上京。

 

今、自分が結婚して、娘がいるということが、不思議に思えて仕方がありません。

 

 

生まれない方がよかった人間は、確実にいるのです。

 

(聖書でも、堂々と言ってるしね)

 

しかしながら、生まれたからには、生きねばならぬ。

 

 

 

数々のひどい職場を渡り歩いて、病気になったり怪我したりしたけど、

 

祖父や父親や兄から受けた仕打ちに比べれば、まだましだったのかも。

 

あの地獄よりは、この地獄の方が…

 

でもやっぱり、地獄は地獄。

 

この世の地獄は、あの世の地獄。

 

刺せば監獄、刺されば地獄。←竜二

 

 

つらくて、苦しくて、

 

神も仏もないものか、と思っていたけど、

 

今はこうして、つかの間の平穏な時間を過ごしております。

 

だから俺は、今のうちに、映画を楽しむのだ。文句あるか!

 

 

 

 

 

大人になるとわかるけど、悪い報告は、早い方がいい。

 

しかし、少年には、恥ずかしいという気持ちが、先に立ってしまう。

 

武士は、恥を知ることから、礼節を学ぶんだし、

 

女子も、恥じらいがあるからこそ、人の気持ちを理解できるレディになれるというもの。

 

 

一時の恥、という言葉がある。

 

くれぐれも、悪いことは早く誰かに知らせて、最善の対応を取ることが大事。

 

その時に、報告すべき人を間違えないように、注意しないといけないんですね。

 

 

ああ、世の中って、面倒くさいことだらけ。

 

映画の世界だって、単純なようだけど、深読みすれば、複雑である。

 

人生は、映画みたいにうまくいかない、なんてよく言うけど、

 

何もかもうまくいなない映画を見れば、人生の方がまし、って思えることもあるのです。

 

 

この映画は、挑戦していると思います。

 

くたびれたプロの大人と、ピュアで威勢のいい若造の対立は、見ていて気持ちがいい。

 

自分がなめた辛酸を、すすらねばならなかった泥水を、後世に残すんじゃねえ。

 

こんなひどいことは、自分の代で、終わりにしたい。

 

これが終わっても、次には、新たな悪い何かが出てくることであろう。

 

それは、次の世代ががんばって、なくしたらいい。

 

自分ができることは精一杯やる。後は、好きにしたらいい。

 

できるだけ、足枷を残さないように、この世を去るつもりだから。

 

そうやって、未来を語っていくのが、今を生きる大人の務め、ってやつじゃないのか。

 

 

 

 

俺の娘も、毎日悩みながら仕事をがんばっています。

 

俺は何もしてやれないけど、時折、話を聞いています。

 

話したい時は、自分から言ってくるから、基本、あまり構わない方がいいみたい。

 

 

石田卓也が、椎名桔平に突っかかっている場面が、俺は好きです。

 

きっと、このワルも、内心、うれしいんじゃないかな、って。

 

 

子供の、かけひき。

 

大人の、駆け引き。

 

まるで違うけど、根っこは同じ。

 

 

 

「コンバット!」のサンダース軍曹が、部下に言う台詞があります。

 

その部下は、自分の非を、ずっと報告できなかった。

 

時間が経って、やっと軍曹に、自分のせいでこうなりました、と言います。

 

その彼をじっと見て、サンダースはこう言うんですね。

 

『…よく、話してくれた。』と。

 

 

俺は、こんな上司に仕えたい、と本気で思いました。

 

だから、自分の部下には、こういう姿勢で接するように努力しています。

 

(今の俺の後輩はHSPなので、手強いけど)

 

 

 

知りたい、という欲望がある。

 

知らない方が幸せなこともあるだろうし、

 

触れてはいけない領域が、たしかにある。

 

解いてはいけない、でも、気になったまま、一生を終える。

 

墓場まで持っていく、秘密。

 

拷問されても、口を割らない男の固い意志。

 

 

生きている間は、戦いの連続。

 

だからこそ、戦わなくていい時間は、静かに過ごしたい。

 

映画で、食事したりくつろいでいる時間がやたらに出るのが、印象に残る。

 

この、安らぎのひとときにいる中で、男は、戦うための準備をしているのだ。

 

 

その時が来るまで。

 

戦いのゴングが鳴るまで。

 

決着をつけないといけない瞬間が来るまで。

 

もう少し、この休息を、味わっていたい。

 

 

逃げて逃げて、追われて逃げて、立ち止まって。

 

逃げるように追いかけて、追いつかなくて…

 

それでも、走っている間は、忘れられるから。

 

自分なりに、がんばってもがんばっても、ダメなことって、ある。

 

これを何とかしないと、先に進めないことって、確かに、ある。

 

 

 

 

 

よく、話してくれた。

 

それで、充分だ。

 

なかなか、勇気のいることだったろう。

 

もし君が、同じような状況になったら、

 

俺よりも、もっとうまく立ち回れるだろう。

 

君は、俺と違って、優秀だからな。

 

だから、俺みたいになるんじゃねえぞ。

 

 

…しっかり、自分の人生を生きろ。

映画 「哀れなるものたち」

貧しい者は、幸いである。

 

 

ようやく、今年の2本目を見ることができました。

 

コテコテのアメリカンアクションを見た後は、濃ゆい味付けのイギリス映画を選択。

 

いやはや、すごかったですわ~

 

豪華絢爛で、悪趣味で、息をのむような美しさ。

 

今の俺の、混沌とした気分を、きれいに洗い流してくれるような、強作と言えるでしょう。

 

 

 

原作は、アラスター・グレイの同名小説。

 

監督は、ギリシャ出身のヨルゴス・ランティモス。

 

そして主演は、エマ・ストーン。

 

 

ええと… エマ・ストーンって誰だっけ。

 

ハリーポッターのヒロインは、エマ・ワトソン。

 

Zガンダムのノースリーブおねえさんは、エマ・シーン。

 

おお、そうか、「ラ・ラ・ランド」の主演女優であった!

 

ほうほう、全然雰囲気が違って、これはなかなか面白い。

 

彼女の、射るような鋭い目線が、観客を金縛りにします。

 

カッと見開いた、魔物のような目が、夢に出てきそう。

 

 

 

物語は、青いドレスをまとった女が、河に飛び込むシーンから始まります。

 

彼女は、天才外科医の手により、見事に蘇生。

 

しかも、すごい方法で!

 

宣伝ですでにネタバレしているから、教えてもいいんでしょうが、

 

俺的には、あんまり核心に迫る部分は伏せたいので、ぼんやりと。

 

映画が始まってから少し経つと、わかるようになっているので、

 

知らないで見た方が、映画を楽しめるかと思います。

 

(どうしても予め知りたい人は、ゆりあん淀川の動画を見るといいでしょう)

 

 

彼女は、ベラと名付けられ、これから、二度目の人生を生きることになります。

 

しかも、前の記憶は一切なく、生まれたての赤ん坊のように、無垢の状態。

 

外界の刺激が、何もかも新鮮で、興味深々。

 

志村けんのだいじょうぶだあ、で、石野陽子がやってた、お花坊みたいなキャラで、

 

ドタバタしながら、周囲の者をハラハラさせながら、少しずつ変化するのが楽しい。

 

 

さあ、彼女と一緒に、素敵な世界を旅しましょう!

 

 

 

 

天才外科医を演じるのは、名優・ウィレム・デフォー。

 

もともと個性的な顔に、特殊メイクが加わり、ますます、一度見たら忘れられない感がアップ。

 

彼女を誘惑しようとする悪徳弁護士を演じるのは、マーク・ラファロ。

 

メグ・ライアン主演のエロ映画「イン・ザ・カット」の刑事ですな。真逆だけに、面白い。

 

 

 

 

 

注意していただきたいのが、R18であるということ。

 

残念ながら、18歳未満は映画館で見ることができません。

 

これはたぶん、エロ描写のせいなんでしょうが、

 

俺的には、PG12くらいでもいいんじゃないかと。せめて、R15でも。

 

猟奇的な場面は、医療行為なんだし、そんなに過剰にならなくてもいいような…

 

むしろ、大人の滑稽さを学ぶいい教材として、使えそうですけどね。

 

まあ、その分、ボカシも一切ないので、大人のみなさんは思う存分楽しみましょう。

 

 

 

 

ヨルゴス・ランティモス監督といえば、2009年の「籠の中の乙女」が強烈でした。

 

あれとおんなじ雰囲気が、本作にも漂っております。

 

(俺の映画記事は、2013年2月にありますので、参考になれば、読んでみて下さい)

 

 

 

 

とにもかくにも、エマ・ストーンが好きになれるかどうかが、一番のポイント。

 

純粋無垢というか、無機質というか…

 

「僕の彼女はサイボーグ」の綾瀬はるかのように、つるんとした、キレイな白い肌…

 

俺的には、妖艶な魅力なんですよねえ~

 

彼女に嫌悪感を感じたら、この映画は成立しません。

 

好きか嫌いか、二者択一でございます。

 

デートで行ったら、失敗する可能性が高いけど、

 

うまくいけば、同じ趣味のビッグカップル誕生のきっかけになるかも。

 

 

 

 

原題は、「POOR THING」。

 

「POOR」は、アドバンストフェイバリット英和辞典によると、

 

人に対しては、貧しい、かわいそうな、下手な、という意味。

 

物に対しては、質が劣った、乏しい、という意味。

 

とにかく、何かが足りていない、不完全な状態。

 

 

で、邦題は、「哀れなるものたち」。

 

「あわれ」を広辞苑で調べると、意味がいっぱいあって、絞り込めません。

 

1ページ4段のうち、ほぼ1段にわたって、意味が記述されています。

 

ものに感動して発する声、心に愛着を感じるさま、しみじみとした趣あるさま…

 

 

で、「THING」もまた、英和辞典で、1ページ2行のうち、1行半の記述。

 

これは、無限の組み合わせがある、無限の広がりがある言葉なんですね。

 

ただ、目に留まったのが、軽蔑などを込めて用いる、という表現。

 

こいつらとか、そいつらとか、そんな意味合いかと。

 

哀れみは、なかなか、使い方が難しい、高等な表現なのでしょう。

 

 

シンプルなタイトルだけに、解釈は幾通りもあるんですね。深いなあ。

 

 

 

 

本作を理解するためのポイントとして、聖書にまつわる信仰があると思います。

 

厳格な教えであればあるほど、破ってしまったら大変だ、という気持ちが湧くもの。

 

でもあえて、破ってみたいという誘惑にもかられてしまうような…危ない領域。

 

 

だからこそ、既成概念やら常識やらを、いともあっさり越えてしまう彼女が、魅力的なんですね。

 

彼女を否定する人たちは、もしかして、彼女の自由さに嫉妬している自分を認めたくないのかも。

 

願望はあるけれど、一歩を踏み出す勇気が出ない人は、この映画を見て、発散して下さい。

 

 

 

それから、注目して欲しいのが、劇中の音楽。

 

担当しているのは、イェルスキン・フェンドリックス。

 

特に後半の重要なシーンで、独特の音が、斬新に耳をまさぐります。

 

美しい情景に、絶妙な特撮。妖艶なエマと、謎めいた展開に、ピッタリとハマるから楽しい。

 

映画って、やっぱり、芸術なんですねえ。

 

 

 

 

心の貧しい者は、幸いである。天国は、彼らのものである。(マタイによる福音書)

 

貧しい、ってなんだろう。何も持っていない、ということかな。

 

多くを持つ者は、不自由なのかもしれない。

 

身軽だからこそ、何も所有していないからこそ、純粋な目で、物事を見ることができるのかも。

 

周りを気にして、何もできなくて、がんじがらめになっている者にとって、彼女は先駆者。

 

 

 

 

人生は、一度きり。

 

でももし、二度目があったら?

 

いやいやこれは、リセットしての、再スタート。

 

だから、もとの振り出しではない。

 

全く、新しい、未知の世界。

 

そこが肝であり、そこが重要。

 

 

 

あわれみ深い人たちは、幸いである。

 

彼らは、あわれみを受けるであろう。

 

 

さあ、何をもって、あわれみとするか。

 

今感じているこの感情は、あわれみなのか。

 

 

彼女を見下す者は、見下される者となっていく。

 

後の者は先となり、先の者は後になる。

 

自分が優位だと思っている者は、いずれ、立場が逆転した時、地獄を見る。

 

天国も地獄も、自分がそう感じたら、そうなっちゃうから不思議。

 

 

 

貧しい者は、幸いである。

 

金持ちになる可能性を秘めているから。

 

彼はこれから、色んなものをゲットするであろう。

 

不完全なモノは、幸いである。

 

完全なモノに生まれ変わる可能性を秘めているから。

 

それはこれから、優れたバージョンアップを施されるであろう。

 

 

ベラは、自分で判断した上で行動し、出会った人から、色んなことを学ぶ。

 

いいものは、心に宿り、新たなエネルギーを生み出していく。

 

悪い結果が出ても、人を恨んだりしない。

 

哀れだと、感じるのみ…

 

 

 

 

 

あられもない姿の、ベラ。

 

恥じらいはなく、自由奔放。

 

性の目覚めも、遊びの一環。

 

好奇心。誘惑。高揚感。開放感。

 

罪悪感よりも、嫌悪感。

 

好きなものは好き。イヤなものはイヤ。

 

知らないから、知りたい。

 

 

彼女の大きな瞳には、この世界がどう映るのだろう。

 

 

うれしい。楽しい。気持ちいい。

 

動機が純粋だから、結果オーライ。

 

 

 

…いと、あはれ。

 

…いと、うつくし。

 

 

U-NOTE Ⅲ 「しゃがむバアさん」

せっかくの休みで、映画に行きたかったのですが、悪天候なので、中止に。

 

妻を職場まで車で送って、ダイソーに寄った時の出来事です。

 

 

 

入口付近で、誰かがしゃがんでいる。

 

何か、物でも落としたのかな、くらいに思って、俺は車を駐車場に止める。

 

降りて、様子を見に行くと…

 

 

あれれ、この人、まだしゃがんでいる?

 

いやいや、転んで起き上がれないのか?

 

おいおい、待てよ。間近に車が止まってるじゃん!

 

 

これって、交通事故?

 

 

俺は近づいて、どうしましたか、と尋ねる。

 

バアさんは、意識はちゃんとしているようだ。

 

ただ、立ち上がれない様子。

 

車の運転席には、ジイさんが乗っている。

 

よく見ると、車の前方に凹みが!

 

うわあ、大変だ、通報しなきゃ!

 

寒いから、どこか暖かい場所に運ばなきゃ、と俺もオロオロ。

 

 

 

しかし、よく聞いてみると、どうやらこの二人は、夫婦らしい。

 

バアさんが転んで立ち上がれなくて、早くしろよ、という状態…?

 

ジイさんよう、妻を愛しているなら、手を貸してあげなよ~

 

しょうがないので、俺がバアさんの両脇を抱えて、助手席まで運びました。

 

痛みはありませんか。怪我していませんか。

 

はい、大丈夫です。すみませんねえ。

 

 

 

俺は、養豚場で7年働いて、120キロの豚の死骸を引きずった男。

 

バアさんひとりくらい、運ぶのは楽勝。

 

あまり揺さぶらないように、ゆっくりと丁寧に、座席に座らせました。

 

怪我をしているようには、見えなかった。とりあえず、大丈夫みたい。

 

 

 

ご親切に、ありがとうございました。

 

 

二人からお礼を言われ、はあ、いえいえ、どうも。

 

俺が勝手にやったことだけど、何だか、心がほっこり。

 

何をしても怒られ続けてきた人間にとって、感謝されるのは、大いなる福音です。

 

ご無事ならよかったです。じゃあ、自分はこれで。

 

もしどこか痛かったら、病院行って下さいね、と。

 

 

 

俺が買い物して店を出ると、車はいなくなっていた。

 

一応念のため、お店のレジの女性に、こういうことがありました、と報告。

 

 

 

家に帰って、記憶をもう一度整理してみました。

 

たぶん、こういうことなんじゃないかと。

 

 

①老夫婦が買い物して、店を出る。

 

②ジイさんは先に車に行って、エンジンをかける。

 

③バアさんは、後から車に向かう途中で、転倒。動けなくなる。

 

④俺が駐車場に入って来て、うすくまっているバアさんを発見。

 

⑤ジイさんが車でバアさんの近くまで移動して、停車。

 

⑥早く乗れ、と言うジイさんに、動けないバアさん。

 

⑦車を降りた俺が、駆け寄る。

 

 

たしかに、最初にバアさんを見た時は、近くに車はいなかったように思います。

 

もし近くに車がいれば、気がつかないはずがないですよね。

 

(いくら物忘れがひどい俺でも)

 

 

 

事件性はなさそうなので、通報はしなかったけど、まあ、これでいいんでしょう。

 

でももし、あの二人が夫婦ではなくて、他人だったら… 今頃、ヤバいことに…

 

いやいや、運ぶ時のバアさんの様子から、間違いなく家族だと感じましたよ、俺は。

 

 

ジイさんはジイさんで、体が悪くて、助けられなかったのかもしれないし。

 

物事を悪い方に考えるのは、俺の悪い癖です。

 

だいぶ前に、酔っ払いオヤジが倒れているのを発見したことを思い出します。

 

(あの記事、覚えている人はもういないだろうなあ)

 

 

 

ジイさん、今日くらいは、バアさんに優しくしてあげて下さいね。

 

俺も、いつか若者に助けてもらえたら、ちゃんとお礼が言える大人になりたいです。

 

 

 

今日は、全国的に、足元がヤバそうなので、皆様、気をつけてお過ごし下さい。

 

 

 

 

映画 「エクスペンダブルズ ニューブラッド」

消耗するけど、なかなか死なない奴らって、カッコええ。

 

 

ようやく、映画を見られる精神状態になったので、今年初の、映画館。

 

記念すべき1本目は、シルベスター・スタローン率いる、傭兵チームの物語。

 

シリーズ4作目にして、最終章だそうで。

 

原題は「EXPEND4BLES」と、ちゃんと親切に4が入っているのに、

 

わざわざニューブラッドなんてサブタイトルがついたんだろう?

 

ランボーのファーストブラッドにかけているのかなあ、なんてね。

 

 

謎の組織が、ヤバい核兵器の起爆装置を強奪。

 

大変だ!何としてでも取り戻せ!

 

それ行け、わああ、どっかーん。

 

人が死んだり、死ななかったり。

 

物語は、以上。

 

この映画は、格闘と銃撃戦をひたすら楽しみましょう。

 

 

 

 

シルベスター・スタローン演じるバーニーは、出番は少ないけど、存在感タップリ。

 

白髪の短髪でサングラスで、葉巻くわえてチョッパーのバイクにまたがって…

 

うほう、大物感炸裂ですなあ。尻の下の太いタイヤがぷるぷるで、何だかキュート。

 

もう、彼がスクリーンに映るだけで、俺の世代は興奮しちゃいますわ。

 

 

で、実質の主役は、クリスマスを演じるジェイソン・ステイサム。(俺と同年代)

 

彼は、独自の判断で行動するならず者で、冒頭から、両の拳にメリケンサック。

 

ボコボコ、バキバキ、グサグサにしちゃって、あらら、やんちゃなこと。

 

こいつは、バーニーとコンビを組むからこそ、正気を保てるんですね。

 

 

スナイパーに、ドルフ・ラングレン。ヤクは克服したのか、今は、酒を断っている様子。

 

エクスペ軍団に指令を下すおっさんを演じるのが、アンディ・ガルシア。

 

 

 

 

今回の注目は、トニー・ジャーと、イコ・ウワイスの2人ですね。

 

 

トニー・ジャーは、「マッハ!」と「トム・ヤム・クン」で活躍した、ムエタイ俳優。

 

小柄で筋肉質な体格ながら、身のこなしが忍者みたいで、

 

放物線を描くような、しなやかで美しいアクションが印象的でした。

 

 

イコ・ウワイスは、「ザ・レイド」で、実践的な格闘術を披露した、伝説の男。

 

インドネシアの格闘技、シラットが、とにかくすごいんですわ。

 

お互いに脛を蹴り合う姿は、見てる方が痛くなってしまう迫力でした。

 

(俺のブログ記事だと、2012年12月にアップしてます。イカレてますけど)

 

 

ただ、残念ですなあ~ 彼らの魅力が、存分に発揮されていなかった~

 

もしかして、2人の対決が見られるんじゃないかと…

 

まあ、色々と、国際的な大人の事情があるんでしょうね。

 

 

その代わり、と言っては失礼ですが、

 

ジェイソン・クリスマスとの死闘が、なかなか見ごたえがありました。

 

ここが肝だと思うので、格闘ファンは、ぜひご注目下さい。

 

「沈黙の戦艦」のセガールを思い出すような、ナイフバトルが、なかなかオイシイ。

 

 

 

ここで、ちょっと整理してみましょう。

 

スタローンとステイサムは、レギュラーキャストとして、

 

他の出演者の回数を見てみると、

 

ドルフ・ラングレン 1、2、3,4

 

ジェット・リー 1、2、3

 

アーノルド・シュワルツェネッガー 1、2,3

 

ブルース・ウィリス  1,2

 

チャック・ノリス 2

 

ジャン・クロード・ヴァン・ダム 2

 

ハリソン・フォード 3

 

メル・ギブソン 3

 

ウェズリー・スナイプス 3

 

アントニオ・バンデラス 3

 

 

ざっと調べたら、こんな感じ。違ってたらすいません。

 

で、本作が公開される前に名前が挙がった人物は、

 

ピアース・ブロスナンと、ハルク・ホーガンと、ヴァンダムもう1回。

 

上の3人は、結果的に出ませんでしたが、

 

それでも俺は、出演に意欲を示してくれただけで充分すげえ、と思ってます。

 

 

 

 

あと、変な中国人の女が出てくるけど、武器がなんだかショボかった。

 

ジェット・リーの代わりとしては、寂しいですね。

 

あ、でも、これはおっさんの意見ですから。女子的にはいいのかもしれないから。

 

チャイナと、タイと、インドネシアで、ニューブラッドってことでいいのかな。

 

 

ハリウッドのアクションスターの高齢化が進んでいるので、

 

若くて新しい血が必要なんですな。

 

俺もまさか、このシリーズが、ここまで続くとは思わなかったので、

 

この映画の後で、若い映画人たちが、新しい未来を築いてくれることを願います。

 

 

 

俺たちの世代が、いいものだと思って生み出してきたものは、

 

今どきの世代には、うっとうしいのかもしれない。

 

しかしながら、土台がなければ、ビルドができないように、

 

何もないところからは、そうそう新しいものは生まれない。

 

この映画がつまらない、と思った諸君は、

 

じゃあ、オレたちがもっと面白いものを作ってやろう!と思えればよろしい。

 

おっさんは、踏み台にされてこそ、伝説になれるのだから。

 

 

 

 

 

スタローンだからこそ、ここまでスターたちを集められたんだと思う。

 

彼の偉大なる功績は、映画史で語りつがれることでしょう。

 

(あ、彼はまだ元気に活動されていますけど)

 

 

 

 

 

おっさんとジジイは、ずるくてふてぶてしくて、死にそうで、なかなか死なない。

 

若者たちは、このしぶとさを、学習すべし。

 

殴られ蹴られ、撃たれて打たれて刺されて放り投げられ、

 

疲弊と挫折と裏切りに苛まれながらも、ギリギリのところで立ち上がってしまう。

 

立ち上がったからには、また戦わねばならぬ。生きている限り。

 

 

 

早く死んで楽になりたいと願う反面、限界まで自分らしく生き抜いてみたいとも思う。

 

自分にふさわしい死に方は、何なのか。

 

 

男は、自分の死に場所を求めて、生きているんだなあ。

 

だったら、その日まで、好きなことを思う存分やってやってやり抜いて、

 

思い残すことのないレベルまで、己の魂を燃焼せよ。

 

 

…男には、宵越しの弾はいらねえ!

 

 

 

 

2023年映画熱ランキング その5 名台詞編

いい映画には、心に残る台詞があるもの。

 

物語の核心を紹介するので、多少ネタバレしますが、ご了承下さい。

 

 

 

【名台詞編】

 

 

1.この嘘は、本当なんだよ! (君たちはどう生きるか)

 

 

鳥おやじが、主人公と言い合いになった時に言う言葉。

 

何だか、ムチャクチャな言い方になっていて、笑えました。

 

おっさんは、ずる賢いからご注意。

 

だって、少年より長く、この世を生きているんだから。

 

 

 

2.誰かが、貧乏くじ引かなきゃいけねえんだよ! (ゴジラー1.0)

 

 

佐々木蔵之介が、乗組員にハッパをかけるために、こう言います。

 

自分の立ち位置で、みんなの気持ちを代弁する、男の態度がカッコええ。

 

裏を返せば、オレたちにしかできねえことなんだよ、って意味ですよね。

 

 

 

3.あなたが、私の前で乱れてくださることが、私はたまらなく嬉しいのでございます。

 

  心を分けてくださっているようで… (仕掛人梅安)

 

 

菅野美穂が、豊川悦司の腕の中で、こう言います。

 

何といういじらしさでしょうか。男冥利に尽きるというものです。

 

ああ、こんなこと、言われてみたい。

 

 

 

4.痛いんだけど… スウィートペイン (アリスとテレスのまぼろし工場)

 

 

恋の痛みは、甘くせつない。

 

思春期の女子が、顔を赤らめながら、こんなこと言うんです。

 

好きっていうのは、大嫌いと近くて、とても痛くて… (←これも、劇中の台詞)

 

何と言っても、キスする時の、音がいい。 かぷっ、て。 ひゃあ。

 

俺は、かぷかぷ笑いました~

 

これはたまりませんなあ。若いってのは、いいもんです。

 

 

 

5.話しても、解決しないでしょ。 (ケイコ 目を澄ませて)

 

 

耳が聞こえない彼女は、今までに、色々なことがあったのでしょう。

 

話してくれなきゃ、わかんないよって言われても、

 

話したところで、余計にこじれるだけなのかもしれない。

 

彼女は、そういう細かいことが、面倒なんでしょうね。

 

自分のやりたいことを、自分のスタイルでやるのは、素敵な生き方。

 

我慢しなくていいことは、極力背負わない方が、精神的によろしいと思います。

 

 

 

6.こわいんです。暴力に慣れていくのが。 (天上の花)

 

 

文豪にDVされて苦悩する妻が、こう言います。

 

たしかに、こんなクズ野郎と対峙しようとするのは、正気ではいられませんな。

 

なんていったって彼は、寄生獣のエイリアンですから。人間じゃねえ!

 

 

 

7.ひとりで、死にたくなかったんじゃないかしら。 (茶飲友達)

 

 

デリヘルで働く熟女が、大問題を起こした後、ボソッと言います。

 

彼女だって、好きでこの仕事をしているんじゃない。

 

生身の、生きている人間なのだから。

 

自分が思うこと、感じることを、どんな状況でもズバッと言えるのは、潔いと思う。

 

 

 

8.そんなに黒いですか、私の髪… (岸辺露伴 ルーヴルへ行く)

 

 

黒って、よく見ると、色んな黒がある。

 

黒い髪の女、としか認識していなかった登場人物の髪が、

 

この台詞と同時に、その黒さが際立ってくるような…

 

何とも、ゾワッとした瞬間でした。

 

 

 

9.お前は、父であり過ぎる! (銀河鉄道の父)

 

 

田中泯が、息子である役所広司を諭すように、こう言います。

 

けなしているようで、褒めているんですよね。

 

素晴らしい愛情だと思います。

 

彼もきっと、同じように、賢治に接しているんでしょうから。

 

俺も、こんな父親がいてくれたら…おっとっと、愚痴はいかんですよね。

 

 

 

10.弱くて当たり前、って誰もが思えるようになれたらいいのに (ミステリと言う勿れ)

 

 

ととのう君が、強くあらねばならん、という世の中の常識を否定して、こう言います。

 

弱いことは、恥ずかしいことじゃない。

 

自分が弱いと認めたくなくて、やせ我慢する方が、見苦しい。

 

真の強さは、やさしさの中にこそ存在するんだし、強いからこそ、やさしくなれるというもの。

 

ちなみに、「勿」という文字は、「ぶつ」と入力すると出て来ます。

 

 

 

11.本当のことより、みんな、心地よい嘘の方が… (アンダーカレント)

 

 

残酷で冷たい真実よりは、やさしく心地よい嘘のほうが、人の心を生かすのかもしれない。

 

しかしながら、知りたい、という願望こそは、前に進むための原動力でもあります。

 

知らない方が幸せなこともあるけど、知りたくてたまらないと、もう止まらない。

 

知らぬが仏。仏ほっとけ、神構うな。

 

 

 

12.いなくならないから。 (正欲)

 

 

有罪で服役しなきゃならなくなった男に、ガッキーがこう言います。

 

ありがたい。でも、信じていいんだろうか。

 

どうか、彼の刑期が終わるまでに、彼女の愛情が冷めませんように。

 

俺にとっては、切ない記憶がよみがえってくる、重い言葉でした。

 

 

 

13.じゃあ、わしが。 (首)

 

 

大将・徳川家康に、矢が刺さって絶命。

 

すると、後ろから、次の家康が。

 

で、また殺される。はい、次!

 

影武者のストックがなくなって、本物の家康である小林薫が登場してこう言います。

 

…ダメです! と言われて、止められましたが。

 

 

 

14.にがりによって、豆腐の性格が決まるんだ。 (高野豆腐店の春)

 

 

大豆と水とにがりだけで、豆腐を作る職人、藤竜也がこう言います。

 

にがりというのは、海水からとれる塩化マグネシウムで、食品添加物として使われます。

 

要は、豆乳を、豆腐に変えるための、凝固剤。

 

それを入れるタイミングを間違えると、いい豆腐はできないらしい。

 

ひとり娘である麻生久美子に、極意を教え込むために、おっちゃんは奮闘します。

 

ちなみに、漢字では、苦汁、と書きます。

 

娘さんにも、いいタイミングで、苦汁が入りますように。

 

 

 

15.重荷を下ろせ。 (ヴァチカンのエクソシスト)

 

 

ラッセル・クロウ神父が、青年神父に対して言う、愛情のある言葉。

 

背負っているものが重過ぎると、本来のいい働きができない。

 

それは、物質的なものもあれば、精神的なものもあるでしょう。

 

自分が持っている能力を、最大限に発揮させるには、いい環境が必要であり、

 

バディで行う仕事なら、信頼関係が重要なのだ。

 

…何てザマだ! これも、劇中の台詞。

 

言葉はぶっきらぼうだけど、心は優しい。頼れるおっちゃんです。

 

片手にスキットル。心に聖書。

 

さっそうとスクーターに乗り、今日もどこかでエクソシスト。

 

 

 

16.頭の中で考えたことは、誰にも奪うことはできない。 (ラーゲより愛をこめて)

 

 

シベリアで抑留され、帰らぬ人となった仲間のために、

 

みんなが少しずつ頭の中に記憶して、彼の奥さんに、彼の遺書を伝えます。

 

暗唱して、文章を第三者に伝える手法は、「華氏451」を思い出しますが、

 

戦時中に、こんなすごいことがあったんだ、って初めて知りました。

 

俳優たちが、みんなで力を合わせて、この映画が完成したように、

 

心をひとつにする行動は、必ず相手に伝わるんですね。

 

 

 

17.働きたくないから、一生懸命がんばります。 (ベイビーわるきゅーれ)

 

 

運転免許を取れば、ドライバーとして登録できるから、無理に就職しなくていい、と。

 

殺し屋女子高生ちさと&まひろは、進路相談(?)の席で、あははな発言をしております。

 

ちなみにこの台詞は、1作目の終盤。まひろの口から出た言葉。

 

1と2を連続で見ることができたので、俺の中ではつながっているようなもんですわ。

 

 

 

18.思ってないから、言わないよ。 (怪物)

 

 

ああ、ちくしょう。少年がかわええ。このかわいさは、ヤバい。

 

みんながこんなことを言ってるけど、君もそうなのかい?

 

ううん、思ってないから、言わないよ。

 

やさしいなあ、少年。 思わず、抱きしめたくなっちゃいますねえ。

 

 

 

19.時間、動かそっか。 (リバー、流れないでよ)

 

 

何度も同じ時間をくり返して、ドタバタ苦悩していたけど、

 

後半は、好きな彼と一緒にプチ駆け落ち鬼ごっこしたりして、楽しそうでもあった。

 

いよいよ、謎が解けて、タイムマシンを再起動する段階に。

 

最後に、オシャレな言い方をして、ニクいなあ。

 

 

 

20.泣かせたわね。 (ミーガン)

 

 

私のご主人様を泣かせたのは、どこのどいつだ、コノヤロウ。

 

友達であり、ボディガードである、アンドロイドのミーガン。

 

彼女は、なかなか、高性能であります。

 

微妙にかわいくない、シュールな風貌が、すでにホラーしております。

 

すげえ、ミーガン。負けるな、ミーガン。次回作では、空を飛べ!

 

 

 

21.ウソこくな! (インディ・ジョーンズと運命のダイヤル)

 

 

なんて、昭和な言い回しでしょう。字幕はもちろん、戸田奈津子。

 

彼女には、数々のトンデモ字幕伝説がありますが、またしても更新ですな。

 

これはきっと、DVDだと、また違う言葉になるんじゃないかな、と。

 

 

 

22.カスクフィニッシュか! (駒田蒸留所にようこそ)

 

 

東日本大震災で、大きな被害を受けた老舗の蒸留所のお嬢さんが、

 

伝説のウイスキーを復活させようと、長い期間奮闘して、いよいよ最終段階。

 

何かが足りない… と思ったら、ヒントは、焼酎にあった。

 

コマには、糸がつきものですね。そして、カスクフィニッシュで完成!お見事。

 

お酒も人も、いいところを総合して、いいものが生まれるのです。

 

 

 

23.その奇跡を、これから精神病棟に入院させるんだ。 (エクソシスト 信じる者)

 

 

彼女が生まれたことが奇跡なのよ、と言われ、悪魔に憑りつかれた少女の父親が言い返します。

 

なるほど。ムカつきながらも、ユーモアを交えているので、ジェントルマンな名台詞ですね。

 

この映画、いい映画なはずなんだけど、なんでこんなにイライラするんだろう?

 

 

 

24.君らが苦しめられることが、僕の苦しみだ。 (ミッション・イッポッシブル デッドレコニング)

 

 

イーサン・ハントが、メンバーが被害に遭うことを嘆いて、こう言います。

 

不可能だからこそ、燃える男の赤いトラクター。

 

やっぱり男は、ピンチな時ほど、落ち着いてしなやかにふるまいたいもんですな。

 

さて、次回作までに、物語を覚えておくことの方が、俺のミッション・インポッシブルですわ。

 

 

 

25.今度は今度、今は今。 (PERFECT DAYS)

 

 

ひとり暮らしのおっさんのもとに、家出した姪が突然訪ねて来た。

 

戸惑いながらも、世話を焼く男に、彼女は純粋な質問を浴びせかける。

 

今度って、いつ? 思春期の時間の流れと、おっさんの時間の流れは異なるのだ。

 

この台詞を何度も繰り返しながら、何となくメロディーになっていくところがいい。

 

「逆境ナイン」の玉山鉄二の台詞を思い出しますね。

 

…それはそれ! これはこれ! う~む、先人の言葉は深い。

 

 

 

26.未来を、語るな! (鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎)

 

 

憎たらしい敵に、貴様ごときが、未来を語るんじゃねえ、と恫喝します。

 

若者に未来や夢を語るのが、大人の仕事のはず。

 

ほのかな恋心よりも、男同士の約束を優先して行動する、水木が熱い。

 

…悪いな、遅くなった。 いいなあ、男の会話ですねえ。

 

この2人、最強のバディです。

 

 

 

27.坊や、しっかり生きるんだよ。 (ほかげ)

 

 

体を売って生活する女は、いつしか、病魔に冒されてしまっていた。

 

少年が自分のことに帰って来たのに、会うことができない。

 

ふすま越しに、精一杯の言葉を投げかける彼女。

 

その、痛々しい響きが、切ない思いが、暗がりの中に響きわたる。

 

どうか、彼女の思いが、少年の未来に届きますように。

 

 

 

 

 

 

以上、今回のランキング記事は、これにて終了。

 

少年の物語に始まって、少年の物語でしめました。

 

俺はいつでも、映画館では、少年の視点を忘れないように心がけております。

 

 

君は少年。輝いてるその瞳は何を見るだろう。

 

初めて知るとまどいさえ恐れず、君は素敵。(←バイファム)

 

 

やっとこれから、俺の2024年がスタートします。

 

今年も、少年のような澄んだ心で、一緒に映画を楽しみましょう。

 

 

2023年映画熱ランキング その4 ワースト編 (ネタバレあり)

さて、だいぶ遅くなりましたが、映画記事再開です。

 

まだ、俺の2023年が、終わっていないので。

 

 

ここからは、ネタバレが出ますので、どうかご容赦下さい。

 

 

 

【ワースト編】

 

 

 

1.イニシュリン島の精霊

 

 

この映画は、昨年見た中で一番、イヤ~な気分になりました。

 

インシュリンでゃなく、イニシュリン。 小さな、孤島の物語。

 

主人公の青年は、ある日、親友から、絶交したいと告げられます。

 

これが、こじれてしまうんですねえ。

 

これが恋人という関係なら、周囲の人も協力できるかもしれんが、

 

男同士の友情の問題では、なかなか難しい。

 

イヤだ!言葉を撤回しろ。今まで通りに楽しく付き合おうぜ。なあ、いいだろ?

 

お前、そんな言い方するから、嫌われるんだよ。俺も、こいつとは友達になりたくねえ。

 

距離を置きたい男と、距離を詰めたい男の、見苦しい戦い。

 

その島には、酒場が1軒しかないので、どうしても顔を合わせることになっちゃう。

 

映画は、だんだんと、猟奇的な展開になっていきます…ああ、オソロシイ。

 

このバトルは、いつまで続くのでしょう?神も仏もねえものか。(精霊はいたけど)

 

自分本位なのは、どちらなのか。 バカなのはどっち? 冷静なのはどっち?

 

ささいな出来事から、人間は暴走する。いくら話しても、理解しない奴はおんなじ。

 

こういうことって、世界中のどこにでも起きているんだろうなあ。

 

すぐ身近にありそうな臨場感が、観客を戦慄させる、トラウマムービーです。

 

 

 

 

2.エクソシスト 信じる者

 

 

ノリで楽しんだけど、よく考えたら、ウスラバカ映画だったような気がします。

 

少女2人が、山中で行方不明になり、3日後に発見。ほうほう、神隠しですか。

 

その日以降、怪奇現象が起きて、医者もわからんと。じゃあ、除霊しようぜ。

 

しかし、肝心のエクソシスト神父は、上の許可が下りなくて、できません、と。

 

くそう、何てこった!ここは、ラッセル・クロウを呼べ! (←違う映画ですから)

 

仕方ないので、近所の人たちと、超常現象マニアの連中と一緒に、何とかしよう、と。

 

大御所、エレン・バースティンが再登場するのは嬉しいんだけど、扱いが雑過ぎる。

 

彼女の力を借りて、何とかしようとするんですが、かえって大変なことに…

 

そもそも、山中で、思春期の少女2人にしつこくまとわりついて、家にまで押し掛けるなんて、

 

とんだチンピラ浮遊霊じゃねえか。お前らなんか、地縛霊の熟女でもナンパしろ!

 

で、最後に、感動的に登場するのが、“リーガン” リンダ・ブレア。うわあ。

 

ああ、もしかしてこの後、本格的に血の雨が降ったりして。

 

 

 

 

3.ノック 終末の訪問者

 

 

これもまた、イライラする映画。

 

平穏に暮らしていた家族のもとに、武器を持った男女が訪ねて来ます。

 

見た目は善人のようですが、要求が物騒。

 

多くの人を助けるために、大切な命を差し出せ、と。

 

はあ? 何で? そもそもお前ら何様?

 

う~ん、これは、聖書の信者でなきゃ、わからん理屈なのかも…

 

いやいや、俺は普通にムカつきましたけど。この、バカども。

 

さすが、イライラ映画の巨匠、M・ナイト・シャマラン。

 

人の心を逆撫でするような、丁寧で露骨な演出がお見事です。

 

この映画を見て帰宅した時に、横柄な訪問販売とか宗教が来たら、

 

ためらいなく、射殺したくなることでしょう。

 

 

 

4.首

 

 

首だ! 首だ! 首持って来い!

 

大将、首持って来ました。そうか、見せろ。

 

大将、首がいっぱいあります。どれから見ますか?

 

そうだなあ、そこらへんに並べてみろ。

 

う~む、どれが誰の首だかわからんなあ。

 

これなんか、似てませんか。そうだなあ、でも、これもなかなか。

 

ああ、ちくしょう、みんな同じ首に見えてきた。

 

首なんて、どいつの首でもおんなじだ。

 

いいかげん、飽きてきたなあ。もう、いいや。

 

オレは首なんか、どうでもいい!

 

と言って、首をボールにサッカーを始めるのでした。

 

ええと… そんな映画だったような気がします。

 

 

 

5.リゾートバイト

 

 

夏休みのバイト先の旅館は、お化け屋敷だった?

 

いやいや、これは、心霊スポットだわ。ようし、肝試ししよう!

 

遊んでいるうちに、心が入れ替わって、どんどん人が死んで、

 

僕は私に、私はボクに、おっさんはおねーちゃんに…うひょう!

 

妙なテンションが炸裂しまくりの、ユルいホラーサスペンス映画です。

 

笑いと眠気をこらえて、最後まで見た人はエラい!

 

 

 

6.天上の花

 

 

作家役の東出昌大が、美人の奥さんをDVしまくります。

 

ああ、こんなに殴らなくたっていいのに。

 

彼の暴走ぶりが、何だか楽しそうで、見ている方もコワくなります。

 

こんな映画を正月に1本目に見た俺の2023年は、波乱のスタートでした。

 

ペンは剣より強し。貴様、拳じゃなくてペンで勝負しろよ!このヘタレバカ!

 

 

 

7.茶飲み友達

 

 

これは、マニアックな映画です。

 

熟女専門の、デリヘルの物語。

 

主演の岡本玲は、どくとくのオーラがあって、好きな女優ですが、

 

本作では、中途半端に頭がいい、お人よし女子。

 

才能も人望もあるけれど、セキュリティと危機管理が手薄でしたな。

 

案の定、後半はヤバい展開になっていきます。

 

伊藤沙莉が主演したデリヘル映画とは、一味違う。

 

熟された心から発する言葉は、重みがありました。

 

ええと… 質問していいですか。熟女って、何歳からですか?

 

 

 

8.正欲

 

 

ガッキーの、渾身の演技が光る力作。

 

ただ、映画としては残念な部分も目立つので、やっぱりワーストにランクイン。

 

そこは、原作小説を読んでいないので、意見が分かれるところでしょうが。

 

性欲ではなく、正欲。特殊なことに興奮する、マイノリティな人たちの物語。

 

何が好きで、何が嫌いか。何に興奮して、何に萎えるか。

 

人によって千差万別な、嗜好を思考する題材と言えるでしょう。

 

好きな人と、好きなものでつながるって、幸せなこと。

 

しかし、思わぬところに落とし穴。ネット世界って、お手軽だけど、恐ろしい。

 

登場人物が、みんなちょっとずつ、イヤな奴です。

 

さあ、誰に一番ムカつくでしょうか。

 

ロクな人間が出てこないので、ガッキーが一番まともに見えて…こないか。

 

理解できないもの、未知の領域に、寛容な心を持ちたいと、誰もが思うけど、

 

これだけはちょっと…と思うことも、確かにある。

 

俺は、水に興奮するのって、素敵な感覚だと思うけどね。

 

 

 

 

9.零落

 

 

斉藤工が、屈折した人気漫画家を怪演。

 

ヒット作が終了し、次回作の構想を練るが、なかなか進まない。

 

その彼の心と体を癒してくれる存在が、デリヘルの女でした。

 

演じるのは、趣里。またしても、脱ぎまくりです。

 

彼女のしなやかでスレンダーな肢体は、映画館のスクリーンによく映える。

 

「生きてるだけで、愛」の時は、ひきこもり女子が、突然全裸で街を全力疾走、という

 

ワケわかんないありえない場面で、画面をぶっちぎりましたが、

 

本作では、等身大に、生身の、体温のある演技で、観客を魅了しました。

 

「救命士」のニコラス・ケイジに、パトリシア・アークエットがいたように、

 

男の魂を鎮めてくれる女は、貴重な女神様、ファムファタールでございます。

 

原作マンガも面白いけど、俺は、映画の方が好き。

 

男性諸君は、これを見て、一緒に零落しよう!

 

 

 

10.リボルバー・リリー

 

 

綾瀬はるかの、渾身のアクション映画。

 

長い手足をしなやかに動かして、華麗なバトルを繰り広げます。

 

面白い設定だし、あんなにがんばって殺陣をやったのに、

 

今思うと、全体的につまらなかったような印象が残るのが不思議です。

 

「ICHI」「僕の彼女はサイボーグ」は、素晴らしかった。

 

この映画は、大作のはずなのに、何がいけなかったんでしょうね。

 

俺的には、「バトルロワイアルⅡ」と同じような印象でした。

 

怪我の治りが早い女としては、「処刑宣告」の彼女といい勝負かも。

 

 

 

 

U-NOTE Ⅲ 「ようやく」

少しずつですが、自分を取り戻しつつあります。

 

俺の場合、この状態は、一週間単位で、回復していくものみたい。

 

 

自分なりの、悪いパターンがわかれば、

 

自分なりの、いいパターンというものが理解できるというもの。

 

それは、手探りで、掴みどころがない世界だけれど、

 

自分が生身で、リアルタイムに苦しんだからこそ、体感できる領域。

 

 

決して元気ではないけれど、というか、うつ持ちにとって、元気は無縁なんだけど、

 

少なくとも、悪い状態からは、抜け出しつつある、ということです。

 

 

 

 

おっさんになって、初老という世代に近づいて、

 

回復力が遅いことはもちろんなんですが、

 

急激に悪くなった若い頃とは違って、ゆっくり悪くなるから、

 

早いうちに気がついて対処すれば、重症化を防げるんじゃないかと。

 

人間って、精神がやられると、ダメなんですなあ。

 

 

腹いっぱいな時に、暴飲暴食しないように、

 

心がヤバい時は、刺激を少なくして、おとなしく静かに過ごすのがベター。

 

そして、眠れるだけ眠ること。

 

長時間無理に眠ろうとしないで、ゆるゆると、ダラダラと。

 

 

今、大福を頬張って、ほうじ茶を飲んでいます。

 

コーヒーよりも、ハーブティーよりも、ほうじ茶がちょうどいい。

 

和菓子は、いいですよね~

 

 

TV画面には、高倉健の「駅 STASION」を無音で流して、

 

浅川マキのCDを、聴きやすい音量に添えてあります。

 

木村大作の映像に、ブルースって合うんですよね。

 

おっ、八代亜紀の「舟歌」が流れるシーンだ。ここは、しっかり見よう。

 

 

こうやって、自分らしいことをごそごそ始めると、いい感じになっていくのです。

 

 

ようやく、まもなく、映画記事を再開するとしましょうか。

U-NOTE Ⅲ 「年始うつ」

今日は休日なんですが、気力が湧かなくて、じっとしております。

 

 

年末の多忙を乗り切って、カミさんの実家にも年始あいさつをして、

 

ようやく、予定のない休日を迎え、解放された途端に、

 

力が抜けたように、しゅんとしてしまった。

 

 

起き上がれないほど具合が悪い、というわけでもないんですが、

 

何というか、心が沈むんですよね…

 

無理に元気を出そうとすると、ますます苦しくなっちゃう。

 

やんわり立ち泳ぎして、意識が遠くならないように、

 

今の状態をキープするので精一杯、って感じ。

 

 

以前に、燃え尽き症候群、なんて言葉が流行りましたが、

 

そんなにさわやかなイメージじゃない。

 

蓄積された、ボディブローがだんだん効いてくるように、

 

普通に、生命力が低下している感覚。

 

 

これって、年始うつ、とでも言うのだろうか。

 

 

今回の地震では、新潟県西区に、ウチのお得意様のラーメン屋が被災して、

 

しばらく営業できない状況になっております。

 

新潟県の土地は、地盤が弱い地域がたくさんあって、液状化現象が起きやすいそうな。

 

もともと、埋め立ててできた、「新しい潟」ですから。

 

 

 

考えてみれば、俺自身、生まれてからずっと、不安定な立ち位置にいるんです。

 

借家に住み続けているのも、根無し草的な性格のせいもあるし、

 

居場所というのは、いつかなくなってしまうものだってことが、わかっているから。

 

手に入れたものは、奪われてしまうし、次の瞬間には、消えてなくなっちゃう。

 

だから、ものに執着するのも、ほどほどにしております。

 

 

確かなのは、今、生きている、という実感のみ。

 

それが感じられなくなったら、死に体になっているということ。

 

 

なので、

 

こういう時は、変にもがいて無理をしないで、

 

あるがままに、自然にまかせて、静かに過ごすのがよろしい。

 

 

恥ずかしながら、映画館に行く意欲が湧きません。

 

飲み屋に行こうという気持ちも起こりません。

 

DVDや配信で、新しい映画を見ようとすら思いません。

 

 

ただ、唯一、読書だけ、少しずつ進んでいます。

 

最近はずっと、読みかけの本がたまり放題だったんですが、

 

ここに来て、ようやく、再開したみたいです。

 

 

なるほど、何かしら、やれることはあるもんですね。

 

 

楽しいかどうかはともかく、とりあえずこれなら、できる。

 

苦痛を感じない程度に、やんわりと続けられる。

 

うんうん、こういうことって、大事なんです。

 

 

 

 

思えば、うつが一番ひどかった時は、起き上がれないほどに、生命力が低下していた。

 

トイレにも這って行くのがやっとという感じで、体が鉛のように重くて、

 

心は、どこまでも、滑り落ちるように、急降下が続けていた…

 

あの、独特の、気持ち悪い感覚を思えば、今の状態は、楽です。

 

 

真っ暗闇ではない。ちゃんと、光が差している。

 

何もできないわけじゃない。ちゃんと、仕事もしている。

 

浅いけど眠れるし、食欲もある。

 

 

だから、大丈夫。

 

 

遅いけど、ゆっくりと、読書に勤しんでおります。

 

楽しいかどうかはともかく、一時、時間を忘れて過ごせる。

 

本の記事は、読んでくれる人がいなくなって、もう書かなくなったけど、

 

読んだ本がたまったら、また、書いてみようかな。

 

「PERFECT DAYS」に登場したあの歌を聴きながら、あの本を読んでおります。

 

 

疲れたら、休む。

 

ダメージを受けたら、自然に回復するを待つ。

 

気分転換に、やれることをやって、普段酷使しているところを休める。

 

そして、眠気を感じたら、素直に寝る。

 

 

うつは、長い時間をかけて患ったものだから、

 

同じか、それ以上の時間をかければ、必ずよくなってくる。

 

今まで、つらい目に遭っても、どうにか克服してきた自分の、本能に従うべし。

 

 

今の状態は、薬を飲まなくても、普通に回復していくレベルだと感じます。

 

がんばることは大事ですが、がんばり過ぎたら、しっかり休みましょう。

 

休むことも、自分へのご褒美ですから。

 

 

 

 

そんなわけで、何もかも中断していますが、桑畑は、ちゃんと生きております。

 

焦らずに、今日という日を、うまく過ごして、明日も、仕事に行きます。

 

 

俺は今、必要とされている男なので。