映画 「オーメン ザ・ファースト」 | 映画熱

映画 「オーメン ザ・ファースト」

救世主と悪魔は、紙一重。 …生まれる前から、勝手に決めるんじゃねえ!

 

 

「OMEN」は、「予兆、前兆」という意味。

 

1976年に公開された、懐かしいあのシリーズが帰って来る。

 

最新の「エクソシスト」はヒドかったけど、こっちはどうでしょう?

 

気になったので、まずは映画館へ。

 

 

 

PG12ですが、モザイクをかけ過ぎて、かえってエロ映画みたいになっちゃった。

 

妊婦のみなさんは、胎教に悪いと思うので、出産が終わってからご覧いただければ…と。

 

 

 

 

物語の舞台は、1971年のローマの教会。

 

主人公は、アメリカからやって来たマーガレット。

 

彼女は、見習い修道士として、奉仕活動を始めるのであった。

 

 

希望に胸を膨らませ、颯爽と張り切ったものの、

 

何だかここは、かなり怪しい…

 

戸惑いながらも、上司や先輩、同僚、教え子たちとうまくやろうと、がんばるのであった。

 

 

 

マーガレットを演じるのは、イングランド出身の、ネル・タイガー・フリー。

 

けがれのないような、清楚な美しさが感じられる、ピッチピチの24歳。

 

「第七の予言」のデミ・ムーアとか、「フェノミナ」のジェニファー・コネリーとか、

 

宗教映画には、こういう雰囲気を持った女優さんが、よく映えるんですわ。

 

いかにもなアメリカ女じゃないところが、本作のキーポイント。

 

謎めいたミステリアスな状況に、どう切り込んでいくのか、どうぞお楽しみに。

 

 

 

監督は、アルカシャ・スティーヴンソン。

 

脚本は、アルカシャ・スティーヴンソン、ティム・スミス、キース・トーマス。

 

キャラクター原案は、第1作の脚本を書いた、デヴィッド・セルツァー。(もう84歳!)

 

 

1作目の製作を担当したハーヴェイ・バーンハードが、長らく原作者みたいなポジションでしたが、

 

テレビ映画の「オーメン4」で、主人公を女の子にして、大コケした感があったので、

 

ここにきて、セルツァーが第一人者として返り咲いた、のかな。

 

そこは、意見が分かれるところでしょうが… あ、「オーメン18」ってのもあったけ。

 

まあ、脚本が3人もいるので、それなりにモメて、完成したんでしょうな。

 

本作は、シリーズ何作目になるんでしょう?

 

 

 

 

 

今どきの赤ちゃんは、自ら親を選んで生まれてくるらしいので、

 

ダミアン君も、生まれる気まんまんで、この世に誕生したのでしょう。

 

 

 

「オーメン」の主人公は、ダミアン。

 

彼がこの世に生まれた以上は、産んだ女性がいるわけで、

 

誰が、どういう風に生んだのかが、本作の肝になるわけで。

 

ネタバレでもなんでもなく、そうじゃないと、このシリーズが成立しませんから。

 

百歩譲って、クローンかもしれませんが、それだと、ルパン三世のマモーになっちゃうし、

 

コテコテのSFにし過ぎると、オカルト色がかすんでしまうでしょ。

 

 

だからやっぱり、「オーメン」は、アナログで呪術的な儀式で呪いの呪文でなければならんのだ。

 

それを考えると、人間の肉声を中心とした、いい感じの音楽がすごくよかったように思うのです。

 

音楽を担当したマーク・コーベンに拍手。

 

 

 

 

新約聖書の最後にある「ヨハネの黙示録」第13章18節に、「六百六十六」という記述があります。

 

これが、「オーメン」の元ネタなんでしょうが、他にも色々あるんですよね。

 

選ばれた民が14万4千人というのは、エホバの証人がネタにしているし、

 

統一教会に至っては、金日成の画数が18画だと言って、6+6+6でサタン数だ、なんて言ってました。

 

有名なのは、「苦よもぎ」が、チェルノブイリを意味しているって、大騒ぎになったこと。

 

いつの世でも、何かにこじつけて騒ぎたい輩は、いるもんです。

 

 

 

俺的には、「オーメン」の魅力というのは、殺し方のバリエーションなんですよね。

 

ガラスで首切断とか、避雷針で串刺しとか、目つぶしカラスとか、斬新で面白かった。

 

「エクソシスト」は、リンダ・ブレアの熱演とメイクの形相が迫力だったので、一線を引きたいところ。

 

「貞子VS伽耶子」とか「ゴジラVSコング」みたいに、「リーガンVSダミアン」も見てみたい!

 

 

冗談はさておき、本作の影の主役は、悪魔であります。

 

たしか、神様が主役の「オー!ゴッド」なんていうのもあったっけ。これも三部作だったような。

 

ダミアン君は、悪魔の子として認知されているけれど、本作を見る限りでは、

 

あくまでも、神の代身として、君臨されたような感じですね。

 

まさに、救世主として、この世を救うために、地上に降臨された、光輪の持ち主。

 

 

生まれた途端に、神様扱いされたり、悪魔呼ばわりされてしまうのも、困ったもんですな。

 

神であろうが、悪魔せあろうが、最初はみんな、ぎゃあぎゃあ泣くんですね。

 

 

やっぱり、育てる環境で、どんな人間性を形成するかが、左右されるのではないでしょうか。

 

 

 

少子化の世の中で、産みたいのに産めない人も多いかと思いますが、

 

欲しいし産みたいのに、子宝に恵まれない人も、たくさんいると思う。

 

そんな時に、かわいい赤ん坊を差し出されたら…

 

昨日、チャップリンの誕生日だったので、晩酌しながら「キッド」を見ました。

 

かわいい我が子を、捨ててしまった母親の後悔…

 

自分の暮らしもままならない貧乏な男が、がんばって育てたくなるような、かわいい赤ん坊…

 

 

どんな状況で生まれようが、誰かに愛された命は、幸運だと思います。

 

 

さあ、ダミアンは、よくも悪くも、この世に生まれました。

 

彼を、誰がどう育てるのか、見ものですね。

 

 

愛情は、伝わらなければ、意味がない。

 

すくすく育って、立派な悪魔になれますように。

 

 

…自分の存在意義を、自分で考えて、思う存分、生きまくれ!