映画 「ペナルティループ」
命を粗末に扱うと… 無間地獄に落ちるのかも。
また何とも、変てこな映画を見てしまいました。
若葉竜也主演で、共演は伊勢谷友介と聞いて、おお~と思い、
よく考えずに映画館へ。
主人公の青年が、ある朝目覚めると、傍らに恋人らしき女性が。
ぐずる彼をやんわりほどいて、彼女は、行って来ます、と言って出て行く。
次に目覚めると、彼は仕事に出かけ、職場に現れた“奴”を殺害する。
また彼が目覚めると、同じ日付の、6月6日の朝であった。
おかしいな、と思いながらも、彼はまた出勤し、奴を殺害する。
そしてまた、6月6日の朝を迎えて…
いわゆる、タイムリープものですが、ちぃっと、毛色が違うようです。
くり返す度に、色んなサブリミナル要素が追加されて、
どうやら、奴が、恋人を殺した犯人だということがわかります。
でも、何でまた? どうやって?
湧いてくる色んな疑問に、答えたり、答えなかったり。
う~む、監督・脚本の荒木伸二は、なかなかの曲者のようです。
さあ、観客も一緒になって、説明されない謎を、好き勝手に想像してみましょう。
しかし、若葉くんは、面白い俳優ですなあ。
「街の上で」でもしうだったけど、いい奴か悪い奴かわからんところがいい。
対する伊勢谷は、悪い奴かと思ったら、そうでもないやん、的なところが笑えます。
(劇中、彼がタバコを吸うシーンが何度も出ますが、1回くらい、大麻入りだったりして)
そして、ヒロインを演じるのが、山下リオ。
悪い女ではなさそうだけど、いい女でもないようなところが、何とも可笑しい。
で、謎を握る男を演じるのが、ジン・デヨン。う~む、みんな、変なのばっか。
何故、タイムループするのか。
ヒントは、タイトルにある、ペナルティという言葉。
これはやはり、誰かが意図的に仕掛けた何かである可能性を考えたくなる。
映画を見ながら、徐々にわかってくる全体像をとらえながら、
自分なりの、着地点を見つけましょう。
同じことをくり返すと、退屈になっていくらしい。
毎回、同じ結果を出し続けるのが、職人。
毎回、違う結果を出し続けるのが、芸術家。
主人公の趣味。 犯人の仕事。 恋人が抱えていた秘密。
同じ時間でも、違う人間がそれぞれ違うことをすれば、違う結果になっちゃう。
見かけは同じでも、全く違う側面があるだけに、
俺だったら、もっと、遊びの要素を入れたくなる。
わりと、ふたりとも真面目で、笑えるんだなあ。
俺は、この世界の中で、とことん、暴走してみたいです。
行き詰った時は、立ち止まって、あらゆることを疑ってみるべし。
今いるこの世界は、本当の世界だろうか。
今自分が飲んでいるコーヒーは、本物なのだろうか。
自分が存在しているこの空間は、現実なのだろうか。
…そして、俺は本当に、この映画を見たのだろうか?